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エリック・クラプトン自伝
エリック クラプトンEric Clapton中江 昌彦
価格: ¥2,940 (税込)

単行本
出版社: イーストプレス
発売日: 2008/04
ISBN: 4872578864
おすすめ度:4
Amazon ランキング: 74816位
発送可能時期: 在庫あり。

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4クラプトン
 エリック・クラプトンは言わずもがな人物である。この書では自ら人生を振り返り、出生から現在に至るまでを包み隠さずに書いている。それこそ生まれて、母親が蒸発し、数年後に戻ってはきたが、新しい家族を作っておりmamaと呼べなかった事や、幾多の依存症からの脱却を自身のライフワーク(音楽)を基幹に綴っている本である。
 私自身としての感想としては、本書をよんでいると彼がいつまでも孤高でいられる理由が少しわかったような気がした。本書の中で自身の仕事観などについても書かれているのだが、妥協のできない性格であり、より高みにいこうとするモチベーションをもっているのではないかと思う。
 それは、素晴らしい仲間とのバンド活動や交友・恋愛・趣味・そして大事な家族を通じて維持してきたものであり、それに加え音楽への純粋さが加わり孤高でいられるのではないかと思う。
 この本はクラプトンの自伝であり、自身の成長物語といった青春小説としても読める。また大げさではあるかもしれないが、よりよいlifeを生きようと模索してきた自己啓発的な本としても読める1冊である。
4貴重な資料
 エリッククラプトン自身による自叙伝。複雑な家庭環境(父親不明、祖父祖母に育てられた)から始まり、かなり詳細に赤裸々に綴っている。ヤードバーズ、クリーム、ブラインドフェイス、ドミノス、プラスチックオノバンドなどを渡り歩き、様々な伝説に立ち会ってきたブルースギターの神様だが、実に謙虚でコンプレックスの強い人間だということが分かる。多くのミュージシャンを尊敬しおごり高ぶらない。一方で常によりかかる女性を求めて遍歴をくりかえす様、ジョージハリスンのパテイを長年愛していた事情もよく描写されている。ドラッグと酒におぼれる様も当時のロックスターにありがちだが作品に悩んでというよりも人生、自分のルーツに悩んで手を出していたのだろう。ロックの王道を歩みながらも一人の人間としての苦悩が綴られ(ライターの手によるとは思われるものの)感慨深い内容となっている。
5「神」「愛」「音楽」、この人が今でも生きていて家族との幸せを享受していられると同時に、優れた作品を産み出し続けていること自体が一つの「希望」だと思う。こういう人生もあるんだ、という。
自分は実はそれほどミュージシャンとしてのクラプトンが好きな訳ではない。そもそも70年代的なブルース・ロック自体があまり好きではない。普段ニューウェーブ系のエレポップばかり聴いてる人間なのだから。それでも一応『オーシャン・ブールバード』だけは素直にいいと思って一時毎日のように聴き込んでいたが、それ以外の彼の作品に対しては正直「趣味が合わない」ものとして退けていた。

なのに、この本は一気に読んでしまった。以前からロック雑誌などにこの人のインタビューやこの本の抜粋などが載っているのを見る度に、食い入るように読みふけってしまった経験があったからこそだが。で、おそらく自分はこれからも何度かこの本を読み返すと思う。少なくともこの本を読んで、それまで特に何とも思わなかった「レイラ」や「ワンダフル・トゥナイト」などの楽曲を聴いた時の受け止め方が全然違ってきた。それまでもジョージ・ハリスンの嫁さんを横取りしようとして云々、というエピソードは知ってはいたのだが。

いやはや実際に彼女をモノにして夫婦になった後もアルコール依存や女遊びが止まらず破局を迎え、その後様々な紆余曲折を経て、約二十年間の断酒継続と二十歳以上年下の新しい奥さんとの間に三人の子供を設けて、「家族と過ごす時間こそが自分の幸せ」という境地に到達しながらも、「音楽こそが自分を救ってくれた神」と正直な気持ちを吐露する。正に「業が深い」としかいいようがないのだが、その業の深さにどう対処したかというケーススタディとして、実際に何度も地獄を見ながら希望を失わずにそこから這い上がって幸せを手に入れたという「サバイバー」の体験談として、また普通なら人の精神を死に向かわせる程の苦しい状況において「音楽」がどのように「救い」となりうるのか、また破綻してしまった人生や傷ついた魂が「神」や「愛」との出会いによっていかに輝きを取り戻すのかといった問いかけに対する一つの回答として、自分が人生のこのタイミングでこの本と出会えたことの意義はとてつもなく大きい。

カート・コバーンやビリー・マッケンジー、イアン・カーティスのような生き方が間違っていると言うつもりはない。実際に私は彼らのような典型的な破滅型のアーティストの音楽に強くアイデンティファイしてしまうような人間だ。でも、このクラプトンのような生き方もあるのである。とりあえず『ピルグリム』や『レプタイル』といった比較的最近の、彼が新しい生き方を発見して以降のアルバムを聴きながらもう一度この本を読み返してみようと思う。
5魂を音楽に捧げた少年が、人間の男になって戻ってくる物語。
この本の副題をつけるとしたなら、「ジャーニー・マン」が相応しいと思いました。幼少時代から旅を続けたECが60歳を超えてようやく安息の地を見つけられたようです。この本を読んでECのほぼ全時代を知っていることがわかりました。ヤードバーズの頃からになりますが、彼のキャリアはほぼそこをスタートと見ても良いようです。すぐに彼には「ゴッド」という尊称が加えられます。その為実際の年齢がよくわからなかったのですが、ビートルズのメンバーよりは若いですし、ビートルズが爆発的に売れたため、一攫千金を狙った音楽関係者がロック・バンドの才能を一斉に発掘した時期が60年代だったように受け止めました。ECは、ビートルズよりも音楽面ではストーンズに近く、徹底したブルース志向です。この本では、かなりのミュージシャンとの交流が登場しますが、ブルースの巨人である、ロバート・ジョンソン、マディ・ウォーターズやBBキングが格別の存在だったようです。ジョン・レノンもそうですが、ECの幼少時も特別な体験を経ています。内気でシャイな子供が、あっというまに若者の神になっていき、途方もない旅に出た物語です。ヘロイン中毒で私生活はボロボロ。ようやく抜け出したと思った時、さらに重いアルコール中毒に。その間に、ジョージ・ハリスンの妻への恋。幸福を求め続けながら、幸福を拒否してしまうギターの神。彼を救ったのは、唯一音楽への純粋な信仰であったのだと思います。すべてを音楽に捧げた祭司が今、ようやく人間に戻ったようにも感じられました。一気に読みきってしまうほど興味の尽きない本でした。
3なかなか面白かったでも......。
この本で書かれている内容は私たちの年代('50年代初め生まれ)の人であればある程度は知っていたことですが、あのアルバムが出た時にこんな状況だったんだ...とか読んでいくうちに、自分が同じ時代に考え悩んでいたことなどと重なって、なかなか興味深く読めました。
ロックの世界で明らかにメーンストリームを歩みレジェンドと成り得る彼が、一人の弱い人間として苦しみどうしようもない状況に成りながらも、今日穏やかな日々を迎えているこの自伝は、人が年を重ねることによって学び、その知恵が心の平静に繋がるといった当たり前のことを再認識させられた一冊です。彼の言葉の中に、「欲望と愛情の区別、快楽と幸せの区別を知らなかった」とありましたが、まさにこの言葉は彼の人生の中で生まれた言葉として心に残りました。
残念なことに、この本の翻訳は直訳っぽくて読み難く、内容を把握するのにかなり苦労しました。できればもう一度リライトされた滑らかな文章で読んでみたいと思いました。



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