この本から「きらめき」を見つけられないのは読む方に問題があるのでは?
(「本格的」という言葉の幼稚さにご用心。)
すでに著者訳『ロリータ』注釈から、謎は投げかけられていました。この本ではアルファベット1字1字の枝葉にまで神経を使い虫眼鏡で観察する粘り強い探求で、一般読者をナボコフの迷宮へ導いてくれます。
本の中では、作者ではなく読み手の目線で、一緒に考えながら謎解きの機会やヒントを与えてくれますが、その不器用さに愛情を感じるのは、「素晴らしい読み手であり学者」としての揺るぎない自意識が確立する立ち位置ゆえ。
読書の楽しみを知っているからこそ、説明でお茶を濁すことを恐れているが、その本に対する愛情に胸を張っているような独特の感性が素晴らしい。
案内される方にはそれなりの読解力は必要ですが、世に言う勉強ができるとは違う感性で挑みましょう。
ナボコフを愛し、小説を愛す著者のハートに感動させられますし、ナボコフと言う巨人の暗号を教えてくれ、さらなる読書のおもしろみを教えてくれる素晴らしい本です。繰り返すようですが、控えめさと熱さに、頭脳の明晰さが同居した何とも学者らしい人間性が、透き通って見える文章にあなたも共感するでしょう。
本を愛する私たちに必要な読書本とは人生を読書に捧げたこの著者のような方による暖かく、読者思いの本の事だと思いますが。そして読書とは結局自分で導く迷路。論文ではなく人間的なこの迷宮案内の方が遥かに煌めいて、文学愛好者に境界はない(何故なら文学は人間のものであり、アカデミックとは違う)ことを感じ信頼できます。
※途中で『透明な対象』の解説も紛れるため、こちらの本も読んでから読む事をオススメします。
ロリータ、ロリータ、ロリータ
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