半分は表紙が目的だった―100冊のペーパーバックスにアメリカを読む
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本書は、片岡義男がこれまでに収集した多数のペーパーバックのうち、1970年代以前のアメリカの「ポケット・ブックス」系列のものの中から100点を選び出し、見開きごとにペーパーバックの表紙のカラー写真を左ページに、それに関する短いコメントを右ページに配した構成になっている。なかには、ハメットやチャンドラーのミステリーとか、史上初のSFのペーパーバックという、ドナルド・ウォルハイムが編集したSF短編アンソロジーといった変わり種も顔を見せている。それぞれの表紙は、どぎついイラストもあれば、現代から見てもおしゃれなデザインで構成されたものもあり、実に多彩だ。ただ、ビジュアル主体の本であることを承知のうえであえて言うと、著者のコメントは、表紙画以上にむらが大きい。もとよりペーパーバックの表紙画を機械的に整理網羅した百科的なデータベースを目指したものではないわけだが、といって、片岡義男という人のフィルターを通して選びぬかれたものというには、コメントの輝きがいまいち不足気味と、やや中途半端な本になってしまったのが残念だ。それでも、ふっと空いた時間に、気ままに眺めるなら、そこそこ楽しめる本だろう。



