この本は『Active English』誌の連載を再構成して成り立ったものである。対象レベルは英検5級、TOEIC 300点以上とあり、初級者向けに、易しくポイントを絞って書かれている。
特徴としては、強勢・イントネーション→音のつながり→個々の音という、トップダウン式の順序をとっていることが挙げられる。個々の音もさることながら、文の読み方については学校で系統的に教えられることはほとんどないから、本書のように、基本的な読み方を順を追って丁寧に説明した教材は、貴重だと言えるだろう。
個々の音については、日本人が苦手とする音であると判断されたものに絞った説明がなされている。その結果、日本語の「ア(ー)」に似た、hat, hut, hot, heart, hurt の母音の区別を3課にわたって練習させている。本書は全30課なので、その重視ぶりがよく分かる。
但し、「苦手な音」の選定に問題もないわけではない。「ア(ー)」に似た母音をこれほど重視しているのに対し、「イ(ー)」に似た heat, hit の母音の区別を取り扱っていないのは、“抜け”としては決して小さくない。雑誌連載中に何らかのミスで入れ忘れてしまったことの反映だろうか?
あくまでも初級向けなので、強勢・イントネーションの部分では、文の最後がいちばん強くなるパターンのみ提示されている。この基本的なパターンすら知らない学習者が多数派であることを考えると、これは妥当な判断なのかも知れない。しかし、これを受けて、アクセントが別の位置に現れるような“応用編”のパターンを教えてくれる適当な教則本が他に見あたらないのが辛いところではある。
とはいえ、全体としては、初級向けの発音教則本として、十分に敷居の低いものとなっている。また、英語の実態から乖離した記述が見あたらないという点も、この種の本では珍しいことで、評価できる(そのようなことを評価しなければならないような英語出版界の状況は憂うべきものではあるが…)。
英語 発音のツボドリル (アルク英語レスキュー・シリーズ Vol. 10)
価格: ¥1,180 (税込) 単行本 出版社: アルク 発売日: 2007/11/02 ISBN: 4757412681 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 149743位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |



