素晴らしい!
癖のある絵なので最初は少々斜に構えて読み始めましたが、かつて経験したこと無いこの不思議な感動はどう表現したら良いのでしょうか。
聞こえるはずのない音楽が紙面から聞こえてくるのです。
もちろん実際には聞こえませんが、あたかも紙面上から音楽が飛び出してきたかのように感じます。おそらく実際には、かつて聞いたことのある音楽が自分の頭の中にあり、その音楽の記憶を著者の絵が喚起するのでしょうね。まったくもって素晴らしいの一言です。どのようにして絵によって音楽の記憶を呼び起こすような事ができるようになったのでしょうか。ただし、その効果は読む人によって千差万別の様です。それゆえに本書を読んだ際の感動に個人差が出てくるのでしょうね。
一色まこと氏の「ピアノの森」も音楽を描いて秀逸ですが、感動の深さではこの「マエストロ」がはるかに凌駕しています。
著者の音楽に対する深い造詣と愛に裏打ちされた後世に残る名作です。
マエストロ 1 (アクションコミックス)
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経営破綻した交響楽団の面々の前に現れた謎の老人、そして・・・ 「指揮者はオーケストラの敵だねっ」(24頁)と嘯くコンマス香坂は、「トリックスター」たる天道との出会いを通じてどのように変わっていくのか・・・ 興趣つきないドラマの幕開け。個人的には、音楽家としての自らの分身たる楽器の再生とともに自らも再生していくホルン吹きの一丁田さんの物語(第6話)が胸に沁みた。
解散したオーケストラの奏者たちが、謎のじっちゃんコンダクター(指揮者)のもとで、生き生きとよみがえっていくストーリー。第1巻では、再結成コンサートの演奏曲、ベートーヴェンの「運命」交響曲と、シューベルトの「未完成」交響曲を、天道徹三郎(てんどう てつさぶろう)の指揮で練習するうちに、次第に指揮者の魔法のタクトに乗せられて変わっていくオーケストラ奏者たちの姿が描かれています。
オーボエ奏者とリードのことや、ホルン奏者への絶妙のキュー(合図)など、作者がオーケストラの各楽器のことをよく知って描いていっていますね。気合のこもった天道じっちゃんの指揮風景、ダイナミックに指揮棒を振る姿などがよく描けていて(上手い絵ではないけれど、楽器の音が聴こえてくるみたいな絵です)、好感をもちました。
第1話「集結」から始まって、「鳥肌」「フルートとたくあん」「オーボエのリード」「ホルンと唇」「ホルンとネギとストーカー」「天道の謎」までを収録。妙に忘れられないひとコマは、赤ちゃんを抱くようにホルンを抱えた一丁田さんの絵。自分の音を取り戻したホルン奏者の、お地蔵さんのように優しい表情が、心にナイス・ヒットしました。
オーボエ奏者とリードのことや、ホルン奏者への絶妙のキュー(合図)など、作者がオーケストラの各楽器のことをよく知って描いていっていますね。気合のこもった天道じっちゃんの指揮風景、ダイナミックに指揮棒を振る姿などがよく描けていて(上手い絵ではないけれど、楽器の音が聴こえてくるみたいな絵です)、好感をもちました。
第1話「集結」から始まって、「鳥肌」「フルートとたくあん」「オーボエのリード」「ホルンと唇」「ホルンとネギとストーカー」「天道の謎」までを収録。妙に忘れられないひとコマは、赤ちゃんを抱くようにホルンを抱えた一丁田さんの絵。自分の音を取り戻したホルン奏者の、お地蔵さんのように優しい表情が、心にナイス・ヒットしました。
クラシック漫画というと、最近は、「のだめカンタービレ」ばかりが話題を独占している感があるが、クラシック漫画というよりは、ギャグ漫画という趣のある「のだめ」は、クラシック・ファンには物足りなく、私の場合は、ギャグばかりの底の浅い内容に、次第に飽きが来てしまい、今では読むこともなくなってしまった。この「マエストロ」は、「のだめ」以上に笑えるギャグも入っているのだが、極めて良質な本格派クラシック漫画であり、こうした作品にこそ、もっともっと脚光が浴びせられてもいいのではないだろうか。
私が初めてさそうあきらを知ったのは「神童」だったのだが、この「マエストロ」では、「神童」より一層、専門的描写が深化しており、指揮者・オーケストラ・奏者を知り尽くした専門的描写は、玄人はだしレベルに達している。クラシック漫画以外にも、あらゆるジャンルの漫画を幅広くこなすさそう氏の、このクラシックに対する造詣の深さに、私は、ずっと、「さそうあきらって、一体、何者?」と思っていたのだが、先日、NHK・BSのクラシック番組「夢の音楽堂」にゲスト出演しているのを見て、さそう氏が本物のクラシック通であることが、よく理解できた。
さて、この「マエストロ」は、スポンサーの倒産で、一旦解散したオーケストラが、無名の怪指揮者天道とともに、一か月後の再結成コンサートに向けて歩み始める過程を描いた物語である。さそう氏は、途中から、奏者個人個人のエピソードを描くことに重点を置いているため、本筋がなかなか先へ進まない点はあるものの、毎話のストーリーは、いずれもよく練り上げられた出来の良いものばかりであり、第2巻の終盤からは、俄然、ストーリーがシリアスになって、怪指揮者天道の正体の一端も明らかになってくる。
2004年初めには全話のネームを完成させているというさそう氏が、最終第3巻で、どんな大団円を描いてみせるのかが、楽しみだ。
私が初めてさそうあきらを知ったのは「神童」だったのだが、この「マエストロ」では、「神童」より一層、専門的描写が深化しており、指揮者・オーケストラ・奏者を知り尽くした専門的描写は、玄人はだしレベルに達している。クラシック漫画以外にも、あらゆるジャンルの漫画を幅広くこなすさそう氏の、このクラシックに対する造詣の深さに、私は、ずっと、「さそうあきらって、一体、何者?」と思っていたのだが、先日、NHK・BSのクラシック番組「夢の音楽堂」にゲスト出演しているのを見て、さそう氏が本物のクラシック通であることが、よく理解できた。
さて、この「マエストロ」は、スポンサーの倒産で、一旦解散したオーケストラが、無名の怪指揮者天道とともに、一か月後の再結成コンサートに向けて歩み始める過程を描いた物語である。さそう氏は、途中から、奏者個人個人のエピソードを描くことに重点を置いているため、本筋がなかなか先へ進まない点はあるものの、毎話のストーリーは、いずれもよく練り上げられた出来の良いものばかりであり、第2巻の終盤からは、俄然、ストーリーがシリアスになって、怪指揮者天道の正体の一端も明らかになってくる。
2004年初めには全話のネームを完成させているというさそう氏が、最終第3巻で、どんな大団円を描いてみせるのかが、楽しみだ。
一般人には窺い知ることの出来ないコンサートマスターの苦労や魅力的で怪しげな楽団員の姿が、とても面白い作品です。
お話の良さに反して手を抜いた絵がそこかしこにあることや、楽器の構え方が変であること等、残念な点も多々あります。
今後の展開が気になる作品です。


