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妻という名の魔女たち (創元SF文庫)
フリッツ ライバーFritz Leiber大滝 啓裕
価格: ¥798 (税込)

文庫
出版社: 東京創元社
発売日: 2003/12
ISBN: 448862507X
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 772962位
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良妻は魔女
1943年のフリッツ・ライバーの作品。ある大学教授が主人公、大学内の色々な権勢欲やら利権やら政治思想や教育方針との折り合いやらが互いに渦巻く嫌らしい世界。そして世間体と夫と自分の地位の向上を何よりも望む教授の妻達。そんな中で反抗的な教授=しっかりと自分の意志を持っている教授が主人公であり、そんな異端児の彼でも研究の実力で大学内での地位を確立していたのだが、ある日、寝室で妻の魔術道具を発見し、始めは非難し妻と話し合い、全ての道具を破棄した直後から、不幸が彼を襲い始めるといった話。発想はおそらく「女とは妻とは不可解なり」というどんな男でも、というか異性に対して誰もが感じる所から来ているのだろうが、その不可解さを男の知らない所で魔術を使って夫の人生を助けているとするアイデアが面白いですね。何か妻に感謝する様な作者の気持ちも感じ取れるではないか。魔術のアイテムを記号に置き換えて法則を発見しようとしたり、いったい自分に向けられた敵意は誰のもの?といった黒幕は誰だという様な探偵小説の要素もあるし、どんでん返しもあります。この小説の中で結局魔術は存在するのか?と聞かれたら、いろいろと不可解な事が起こったが実際に証明しろと言われれば何も証明できない話であり、そして妻に「妻と頭のイカれた女達の妄想を信じているふりをしているんじゃないの」と問われ、結局主人公に「ぼくにはさっぱりわからない」と言わせて終わる。異性の不可解さと神秘や怪奇現象の不思議さを人間喜劇風に著した実に巧みな作品。しかし人間世界の嫌らしさ、科学的な解釈と魔術という非現実の中で揺れ動く主人公の心理描写など文句は無いのだが、ページ数が少ないからか、魔術のアイテムの描写なんかは子供でも考え付きそうな物だし、可も無く不可も無くといった淡白な感じがするのが少し残念。
全ての女は魔女か?
害の無い、だけど迷信の研究をしている自分の妻にふさわしくないことだと思っていた魔術に段々自分もとらわれて行く心理の変化と、自分が魔術を使うために敵対している魔女(別の教授の妻)の夫である数学科教授に記号論理学を使って現代の魔術の方程式を導き出させると言う皮肉がなかなか面白い。

現代においても、男から見ればすべからず妻たちは魔女なのかもしれない。




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