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ねじの回転 -心霊小説傑作選- (創元SF文庫)
ヘンリー・ジェイムズ南條 竹則坂本 あおい
価格: ¥840 (税込)

文庫
出版社: 東京創元社
発売日: 2005/04/09
ISBN: 4488596010
おすすめ度:4.0
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古典的幽霊噺の名作集。
英国文学界の重鎮ジェイムズのホラー作家としての側面を代表する怪奇小説集。表題作『ねじの回転』は、実際にあった出来事に材を取り、その解釈を巡って多くの論争を呼び起こした曰くつきの一篇です。女家庭教師が勤めた田舎の古屋敷で遭遇する不可解な出来事の数々。何故、善良そうな男の子が学校を停学されたのか?彼女の前に姿を現す幽霊は何を語ろうとするのか?謎を残したまま物語は佳境に突入し、ある結末に達します。作者はわざと細部を曖昧に描写しています。その点の是非について賛否両論が叫ばれていますが、私としては謎が必ず解決を見なければならないミステリーとは違って、この種のジャンルでは読み手に解釈を委ねる手法も許されるのであり、テクニックのひとつとして充分に効果を上げていると思いますし、その不可解な迷宮性の故に永遠の名作足りえているのだと思います。
その他四篇の幽霊噺は、一人の男性を巡っての姉妹の確執・幽霊屋敷を舞台にした父娘の愛情の物語・旧家の人間関係に絡む狂気の話・作家の死後の意思が体感される物語と、何れも思わずぞっと総毛立つ心地のする逸品揃いです。
私にとっての幽霊噺の醍醐味は、生者には決して理解の及ばない死者の存在感であり、本書はその意味で最高の一級品だと思います。
わからなすぎる
気持ち悪い。
というのは、怖いからではなく
説明がなく、汲み取れなく、想像力もわかず
とにかくスッキリしないところが気持ち悪い。
ホラーっぽい「怖さ」を味わうためにはおすすめできないけれど
「わからなさ」や「読後の???」という不可解さはかなりです。
一度読んで読み方が悪かったか?と思い
その後すぐにもう一回読んだが、???のまま。
読者の中でねじはぐるぐる回転し、一向に留まりません。
そこがネライだったのなら作者様は大成功!
最後まで読ませるが
現代的に捉えれば、二十歳の田舎出の新米家庭教師の女性が、放校になった十歳に満たない男の子と甘やかされて育てられた8歳の女の子に翻弄されて、雇い主に良く見られたいプレッシャーからノイローゼになって見えた幽霊の話だともとれる。
お話のとおり、屋敷に住みついた幽霊から子供達を守るために奮戦する健気な若い女性教師のお話とすると、放校になった悪い子はやはり救えなかったのかな? 勧善懲悪という当時の価値観に沿った本です。

「ねじの回転」の他にヘンリージェイムスの短編4作が載せられている。

古くて新しい怖さ
ホラー小説にもその時代のスタイルというのがあって、読者は自分がよく読む時代の
スタイルに知らず知らず慣れているのだと思う。ヘンリー・ジェームズの小説は
書かれた時代がビクトリア時代というだけあって、とても古風なスタイルだ。

たとえば悪い言葉とか邪悪な行いと書いてあるだけで、具体的なものが何も書かれない。
きっとそれがその時代の流儀だったのだろうけれど、現代の読者が読むと
具体的な表現がないことが新鮮に感じられるのじゃないか。読者はどうしても自分の
想像力を使って読み進むことになる。

古風なだけでなく、この「ねじの回転」はそこに書かれていないことが妙に気になる
小説だ。どうして物語はあそこで終わるのか。幽霊は本当にいたのか。

以前、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどのホラー小説全集を読んだことが
あって、その国の文化がホラーの質に影響していることに驚いたことがある。
そのときのイギリスのホラーの印象は、全体に漂う冷たい湿気、
そして物語の凄みが表面に出ずにずっと奥にあることだ。
この小説もそういう雰囲気があり、ぞくぞくする。

「ねじの回転」は実は何十年も前に読んだことがある。今回、新しい訳が出たと
聞いて再読した。原文は難解と言われているらしいが、新しい日本語訳は
現代的でさくさくととても読みやすかった。




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