ひとつ前に戻る

荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)
サラ・ウォーターズ中村 有希
価格: ¥987 (税込)

文庫
出版社: 東京創元社
発売日: 2004/04/22
ISBN: 4488254047
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 41504位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

amazonの詳細ページへ
「名作劇場」
 
 運命の流転、というまさに物語的なテーマを
ミステリータッチに描ききった本作、

「オリバーツイスト」や「クリスマスキャロル」や
子供の頃読んだ「巌窟王」などの名作の空気がある。
 
 そう書くとまさしく時代設定の勝利か?と思えなくもないが、
作者の、この時代の空気感を創る力は当代随一。
その空気の重厚さに思わず引き込まれる。新作を期待したい作家だ。

 霧のロンドン、不幸な子供、深窓の令嬢、スリ・・・。
そんな世界にどっぷりはまれます。過去のロンドンに行ってみたい方、ぜひご一読を。
著者の「半身」P・コーンウェルの「真相」(上下)も
ビクトリア朝に行ってみたい方におすすめです。
万人にとって面白いとは限らない
前年の「半身」でこりてはいたのだが、2005年度版のこのミス1位ということで、話の種に読んでみた。
「半身」よりは読みやすく、文章のうまさは感じたが、正直、これがミステリーの1位?という印象を受けた。
作品の中盤(上巻の後半)にかけて、一応の盛り上がりはあるのだが、下巻にはいると一気にペースダウンする。作品の展開についてもラストこそ予想がつかない(というより、よいラストとはいえない)ものの、起きうる事柄についてはある程度予測がついてしまい、下巻では、(かなりゆっくりと、しつこいくらいに)種明かしをされるという印象を受けた。
「半身」のレビューにも書いたが、このミス1位だから万人にとって面白いとは限らない。残念ながら、少なくとも私の好みにはあわなかったようである
不思議な読後感。
上巻を読み終わった段階で、一体どうやってまとめるの?と思いながら下巻を読み進めましたが、最後はきちんとまとめてきました。オオなるほどな、といったところ。「半身」を凌ぐ傑作とは思いませんが、19世紀のロンドンがリアル。2人の少女の心理描写がリアル。訳もよいです。



本のみちしるべ Powered by Amazon Web Service
PR: FS研究室