書き方で騙すタイプの小説ですが、すごくお上手。中篇なので、ビックリした後すぐにもう一度読み返せるのがいい。同じトリックを使った、ウォーレン・キーファーの「あれ」や、グレアム・グリーンの「それ」は長編なので、すぐには読み返せないから(ただしこの2作は、トリックが感動を倍加させますが)。
読み手を騙すことを目的に書かれた小説なので、こちらもそのつもりで素直に騙されるのがいちばん。
2度読むと、翻訳の苦労が偲ばれて、思わず笑いが浮かんできます。
殺人交叉点 (創元推理文庫)
フレッド カサック/Fred Kassak/平岡 敦
価格: ¥945 (税込) 文庫 出版社: 東京創元社 発売日: 2000/09 ISBN: 4488205135 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 82156位 発送可能時期: 通常3~5週間以内に発送 ![]() |
フランスのミステリを初めて読みましたが、これは傑作です。何がどう傑作なのかを書きたいところなのですが、何を書いてもネタバレになってしまいそうなので、つらいところです。若い男女の性欲と嫉妬の果てに起きた殺人事件。事件は、被害者の母親と犯人の二人の手記という形で語られます。事件そのものは計画殺人ではなく、ついかっとなって殺してしまったという単純なものですが、目撃者がいないのを幸い、犯人は二人の被害者がお互いを殺し合ったかのように偽装します。偽装はうまく行くのですが、時効が目前に迫った頃になって思わぬ罠が・・・というストーリー。このあらすじからわかる通り、基本的にはサスペンス小説なのですが、最後まで読み終わった後に最初から読み返したくなること必至です。
併録の『連鎖反応』はユーモア・ミステリ。浮気相手の女性が妊娠してしまった為にお金が必要になった青年が、出世の為に自分の勤め先の社長を殺そうとするという物語です。社長が死ぬと副社長が社長になり、次長が副社長になり・・・・という具合にみんなが一段階ずつ出世するので自分も課長になれるという目論見です。両作とも、読み始めた当初は思いも寄らなかった結末に読者を導いてくれます。
併録の『連鎖反応』はユーモア・ミステリ。浮気相手の女性が妊娠してしまった為にお金が必要になった青年が、出世の為に自分の勤め先の社長を殺そうとするという物語です。社長が死ぬと副社長が社長になり、次長が副社長になり・・・・という具合にみんなが一段階ずつ出世するので自分も課長になれるという目論見です。両作とも、読み始めた当初は思いも寄らなかった結末に読者を導いてくれます。
と、表題作の『殺人交叉点』を読み終わった時に家の中で呻いてしまいました。
流石にある程度のミステリの読書はこなしているのでそういう類いのトリックなんだろうな、
とは思っていましたし実際にトリックはその通りだったのですが、それでも犯人およびエピローグで
もの凄い見事なカウンターを食らった感じです。
翻訳も読み易く仕上がっていて、見事だと思いました。ミステリのお手本みたいな作品で、
洋物が苦手な人にもおすすめです。こういう本こそ売れて欲しいものです。
流石にある程度のミステリの読書はこなしているのでそういう類いのトリックなんだろうな、
とは思っていましたし実際にトリックはその通りだったのですが、それでも犯人およびエピローグで
もの凄い見事なカウンターを食らった感じです。
翻訳も読み易く仕上がっていて、見事だと思いました。ミステリのお手本みたいな作品で、
洋物が苦手な人にもおすすめです。こういう本こそ売れて欲しいものです。
翻訳が上手ですね。
作者の意図することが途中でわかってしまいましたので、おのずと
犯人もわかってしまいました。
我孫子武丸の「殺戮にいたる病」を読む前に読めば、あっと驚いた
かもしれません。
「殺人交叉点」と「連鎖反応」。素晴らしい組み合わせだ。前者は発表当時、日本でも話題になった騙しの作品。良く出来ていると思う。人間の思い込みを突いた作品だ。私はこうした作品に対する警戒心が強いので最初の数ページでトリックが分かってしまったが。本作を読了して、余りの驚きに家中飛び回った女子大生がいたそうだ(実話)。
後者は発想がユニークである。私もサラリーマンだが、なる程こういう手段を使えば疑われずに自分にメリットのある殺人が犯せるなぁと感心したものだ。作者は全体をブラック・ユーモアに包んで、最後に粋なオチも付けるサービスぶり。
F.カサックが本領を発揮した傑作2編を収めたお買い得の逸品。
後者は発想がユニークである。私もサラリーマンだが、なる程こういう手段を使えば疑われずに自分にメリットのある殺人が犯せるなぁと感心したものだ。作者は全体をブラック・ユーモアに包んで、最後に粋なオチも付けるサービスぶり。
F.カサックが本領を発揮した傑作2編を収めたお買い得の逸品。



