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黒いカーテン (創元推理文庫 120-1)
ウィリアム・アイリッシュ宇野 利泰
価格: ¥378 (税込)

文庫
出版社: 東京創元社
発売日: 1960/02/19
ISBN: 4488120016
おすすめ度:3
Amazon ランキング: 431110位

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4恐怖の黒いカーテン
黒いブラシで地を掃くように、夜が忍びよってきた…。
主人公が記憶喪失から立ち返った時、彼は確かにフランク・タウンゼントであった。
しかし、傍らの子供が差し出した帽子には、D.Nの刺繍が。
取り戻した記憶の代わりに失った三年間の過去。それは黒いカーテンで覆われたように光を寄せ付けず、不気味にこちらを伺っている。

ある男に尾行され、住居に押し入られて初めて、彼はその黒い過去と対峙する決意を固める。
カーテンの向こうに眠る過去の正体は?

空白の三年間に自分がいったい何をしでかしたのか。謎の男の追跡は駅→職場→かつてのアパートと迫ってくる。そしてついに突き止められた住処から辛くも逃げだすという前半部分。

そして、その三年の間に知り合ったらしいルス・ディロンという女と再会し、最近までD.N.-ダニエル・ニアリングと名乗っていたこと、己が犯した(らしい)殺人事件を知り、さらにはその謎を解くために、事件の舞台となった場所-ニュー・ジェリコへと向かう…という後半部分。

前半部分のサスペンスホラー的な要素と後半のミステリー要素が融合し、緊迫の中、全ての解決が示される。アイリッシュの真骨頂。

2惜しいなあ
事故のショックで主人公は記憶喪失から回復する。だが今度は、記憶を失っていた約3年間の出来事が、頭の中からすっかり抜け落ちていた。何事もなかったように元の生活に戻ろうとするが、そうは問屋が卸さない。記憶を失っていた時に、何かまずい事に巻き込まれたらしく、怪しい人影につけ狙われる。だが誰に、なぜ…?

着想がとにかくおもしろい。主人公の不安がよく出ているが、それでも話がキビキビと進み、やたらとネチネチしていないのが良い。また、主人公がわずかな手がかりから、過去に何があったかを1歩1歩突き止めていく過程も読み応えがある。しかし非常に残念な事に、作者はある1カ所で-しかも話の最も重要なポイントで、主人公の記憶喪失をうっかり忘れてしまったようだ。それで後半のみならず、全体が台無しになってしまった感がある。実に惜しい。




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