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BG、あるいは死せるカイニス (ミステリ・フロンティア)
石持 浅海
価格: ¥1,680 (税込)

単行本
出版社: 東京創元社
発売日: 2004/11/30
ISBN: 448801707X
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 251664位
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舞台設定だけで勝ち
 人は生まれたときは女性として生まれ、出産を終えて優秀な女性だけが男性化するそんな世界。男性化候補の筆頭だった優等生の姉が、レイプされかけたような状態で殺される。女性が多数の世界で男性が女性をレイプするような事態は考えられないのになぜ。

 そんな世界観でミステリを作った時点で、もう「勝ち」の作品。雪山の山荘や嵐で閉ざされた孤島といったありきたりの舞台設定ではなく、こういった世界を作り出しグイッとその世界に読んでいる者を引きつける。
 「どうして?」という気持ちを浮かびあがらせ、グイグイと読み進めさせる力のある小説……なんだけど、中盤からちょっと失速。BGというエリート、出産を経ずに男性化する人の設定が「非現実世界の非現実設定」でちょっと冷めてしまうんですね。舞台が非現実世界なだけに、その中での独自ルールがいくつもあるとどうかなぁと思ってしまいます。

 ラストの締め方は見事。それだけに中盤からの失速感が残念やなぁ。
女性の目から見ると・・・
女性としては、「優秀な女性のみが男性化する世界」というのはちょっと不快ですね・・・。
もちろん、作品世界はちゃんと練りこんで作られていて、男性化したことによる不利益も描かれているのですが。

でもどうしても、男性にレイプされそうになって抵抗する事を「もったいない」という女性がいる世界なんて
生理的に受け入れられないのです・・・。
傑作でしょう
 人類は生まれたときからすべて女。優秀な女だけがのちのち男となり、子孫を残す。そんな突飛な世界で起きた強姦未遂殺人事件。男は女人口に比べて非常に少なくハーレム状態なので、レイプなんてやる男はいない。犯人のの目的は? 
 といった謎。奇病、BG、端整なロジックと謎が深まっていく展開と、衝撃的な後編。世界観の作り方が非常にうまく、ストーリーテリングの才能はありそうだ。
 ただ、犯人の動機だけはかなり無理したこじつけたようで、ちょっとだけ消化不良化。
舞台は破天荒だが、ディテールにこだわった端正で論理的なミステリー
次世代を担う新鋭作家たちによる書き下ろしミステリー叢書「東京創元社◎ミステリ・フロンティア」の一冊。

全人類生まれた時はすべて女性、のちに一部が男性に転換するという特異な世界を舞台に繰り広げられる奇想の学園ミステリーである。

男性化候補の筆頭で、誰からも慕われていた優等生の西野優子が殺害された。

優子と異母姉妹にあたる船津遙(はるか)に対して刑事、校長先生、謎のジャーナリストたちは同様に「お姉さんから何か聞いていなかったか?」とたずねる。彼女に死をもたらしたこの世界に潜む大いなる謎とは---?遙たちは姉の死の謎を解き明かし、犯人をつきとめるべく行動を開始する。そして事件は連続殺人へと発展し、それは“BG”という、政府の関わる一大秘密プロジェクトと密接に関係してくる。

舞台は破天荒だが、そこは石持浅海らしい、ディテールにこだわった端正で論理的な謎解きが楽しめる。たとえばある登場人物が男性化する際、女性でいる間は‘わたし’と表記されていた一人称が男性化したら‘私’と変化したり、ちょっとした会話のなかの言葉や動作の描写の中に、謎を解明する上で重要な伏線が、実に巧みに仕込まれていたりする。

読者は一ページなりとも気を抜くことができない。よく考えられ、構成され、創作されたミステリーである。

淡々としたミステリー
全人類生まれたときは全て女、のちに出産を経験した一部が男性化する
性転換する特異な世界を舞台に殺人が起きる
4人に1人しか男性がいないこの世界で、男性が女性をレイプ未遂で殺人した
珍しい事件で亡くなったのは船津遥の姉西野優子だった

女性から性転換が起こり男性化するという特殊な世界が舞台なのに、殺人のミステリーもからみ謎解き小説として面白い。
更に読み深めると、男女不平等もさりげなく訴えられていて納得する
全人類女性から始まる世界だと、一部の男性は生殖機能ゆえに持てはやされる
しかし、社会の重要なポストは女性が握る
その中でBGと呼ばれる、知能身体全て常人を上回る才能を持つ男が存在する
しかし、そのBGにも悲しい性が待っていた

殺人の軸となる男女不平等に男性が主となるから、淡々と進行する展開が逆に作品の重みと面白さに繋がる
けっこう楽しめる




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