この小説中に登場するさまざまな文章…
国語教師が書いた新人賞受賞小説とその習作、
死んだ美術の天才少女が持っていた謎の官能小説、
視聴覚室の噂のもととなったメモ、
数年前自殺した国語教師の妻のネットの日記とメール、
失踪した小説家の短編、
国語教師の簡単な遺書、などなど。
文章の著者がいったい誰と結びつくのか。
一昔前の学園ミステリっていう感じでした。
ヘビイチゴ・サナトリウム (ミステリ・フロンティア)
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女子高出身者にはなんとも懐かしい、何であんなに熱かったんだろうと振り返るクラブ活動とか憧れの先輩とか、何ともいえないいらいらと内にこもったもの、とかいう世界。
ただ、キャラクターの描き方がちょっと類型的な感じで作品を読み終わってあんまりそれぞれの生徒たちが浮かび上がってこなかった。その自分の定まらなさをあの時代の特徴として描きたかったのかもしれないけれど。
ただ、キャラクターの描き方がちょっと類型的な感じで作品を読み終わってあんまりそれぞれの生徒たちが浮かび上がってこなかった。その自分の定まらなさをあの時代の特徴として描きたかったのかもしれないけれど。
手探りで生きる女子高校生の繊細であるがゆえに負ってしまう傷。現代の若い世代の心の闇を垣間みた気がしました。と同時に、事件の真相 に挑む危険と隣り合わせの好奇心や行動力に、ハラハラドキドキしました。きっと彼女達の柔軟な考え方に魅了されるはず。是非読んで見てください。
作者は詩人で、東浩紀の奥さんらしいのだが、東の語る文学批評めいた論説には一切興味が無いし、彼のウェブを読んでもどうでも良いとしか感想のだけないものだけにどうでもいい事なので、その点がどうこうという事ではない。
女子高生逹を主役にして、ポール・オースターのニューヨーク三部作の『鍵のかかった部屋』をモチーフにしたミステリーだ。
女子高生逹を主役にして、ポール・オースターのニューヨーク三部作の『鍵のかかった部屋』をモチーフにしたミステリーだ。
解説で笠井潔が語る「自分と他人の境界のくずれ」がメインモチーフなんだろうけど、何を今更と言う気分だ。言葉のみずみずしさや文章の造形の独特さは、作品として読んでいて心地良いが、自分と他人との境界のくずれなど、すでに十年以上も前から語り尽くされたどうでも良いテーマでしかない。崩れる前提の自我すら幻想でしかない事はすでに60年代から語られ続け、柄谷行人の暴いた、近代日本文学が作り上げた文学の幻想が今だに続いていると信じている事から設定された問題でしかない。
だいたいが崩れる自我なんて最初から、幻想でしかないんだ。
女子高生と言う今時風の言葉でつづられた世界が懷かしくて、ここに登場する女子高生逹に感情移入してしまいそうになるのは、古くて懷かしい感覚に裏打ちされているからでしかないわけだ。
読んでいる間は面白い、淡泊なミステリー部分も、だからこそ本格や推理小説を軽くどうでも良いものとして扱っている感覚が伝わってきて心地良い。
小説の中の女子高生が好きなら、お奨め。
ミステリーファンには、まあ時間とお金に余裕があれば読んでみれば。
小説好きには、よっぽどひまならと言った程度の内容だと思う。



