たいそうなタイトルだけれども、副題は「ぼくの感傷的読書」。あとがきに「一冊の本を読むことは、一人の女と寝ることに似ている」なんて書くのだから、ほんとうに感傷的な書評だ。
最近亡くなってしまった久世さんだが、会社の上司に紹介されて以来、けっこう好きな作家となっていた。だから、惜しい。もっとたくさん書いてほしかったのに。一文が長くて、比喩表現が多くて、しっかり読まないとついていけなくなってしまう。そんな筆者の文体が好きだった。
今回も書評とはいえ、その嘆美な世界をじっくり味わえる。知ってる作家も、知らない作家も出てくるけれど、なんだか妙にすべてがすてきに見えてくる。「小説っていいな」と素直に思えてくる。
美の死―ぼくの感傷的読書 (ちくま文庫)
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