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やめたくてもやめられない脳―依存症の行動と心理 (ちくま新書)
広中 直行
価格: ¥756 (税込)

新書
出版社: 筑摩書房
発売日: 2003/09
ISBN: 4480061312
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 33152位
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「依存症」ではなく
サブタイトルに反して,所謂「依存症」という見方からの書物ではないことに,逆に好感を持ちました。
生き物 (としてのヒト) がどう「ハマる」のか,今わかっていることを一般に伝える努力というのは大事だけれど,タイヘンだなぁ,とも思いましたが。
依存症と習慣に関する広範囲でイデオロギーと無縁な説明
軽そうなタイトルに反して本書の内容は堅い.決して読みやすい本ではない.専門知識は不要だが,雑学以上の知識や読書慣れや分析能力がないと読むのは辛いかもしれない.しかし,読める非専門家にとっては非常に有益な本だと思う.ニコチン依存やアルコール依存の気があって依存から脱したいと考えている人の中には,本書で得た知識を応用して短期間で依存から自力で脱することができる人もいるだろう.たぶん覚醒剤や大麻の場合も当てはまるだろうし,躾や教育や再犯抑止のヒントにもなりそうだ.

喫煙者を攻撃することを目的にしたと疑われるようなイデオロギーやアルコールを文化的価値から擁護する記述は本書には見られず,動物実験の結果や人間を対象とした調査を曲解/拡大解釈しているような記述も見られない.出版当時の流行りの歌を紹介するなどの導入部以外は非常に誠実に説明している印象が強く,科学的見地を冷静に(おそらく)的確に紹介している.流行に反してニコチンの良い面を紹介するなんてことまでしている.このような誠実な態度のために,本書に書かれている内容は応用の効くものとなっている.

例えば,「最初は不快だったニコチンやアルコールを継続的に摂取することにより体(脳)が正常と感じる状態が変化する.この状態からニコチンやアルコールが抜けると異常な状態だと感じて不快感を覚える.(評者要約)」という平易な記述は「ニコチン」を「酸素」「水」「騒音」などと置き換えて頭を整理することも可能であり,「もしアルコールの入っていない水を作るのが困難だったらどうなる?」「空気中に一定量のニコチンが含まれていたら?」などという思考実験にも導いてくれる.そして,このようなしっかりした基本モデルを軸にして実社会の影響や脳内の科学物質の働きとからめた良質な説明が展開されている.
どんな人向けに書いてあるのか分かりません。
あとがきに書いてあることは分かりやすいのですが、本文のほうは内容が分散しており本のタイトルから期待したものとはズレを感じるでしょう。
でてくる用語も多いし表現もところどころ回りくどさからか頭にすぅーと入りません。
以下については参考になりましたが。
・依存状態になると快楽を求めるためではなく不快感を減衰させるために薬物を使用する。しかし健全な頃の感覚までは回復しないのでこれを繰り返し状況はだんだん悪くなる。
・ショウジョウバエやプラナリアも覚せい剤を好きになる。
・神経細胞によって分泌する神経伝達物質は1種類(例えばドパミン)なのに受容体は複数種類がいろんな神経伝達物質と結合し反応する。
・脳の中で起こっている変化は神経細胞が興奮しているかしていないかだけ。
・脳の器官扁桃体は表情を読み取る。



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