エレンディラ (ちくま文庫)
ガブリエル ガルシア・マルケス/G. ガルシア・マルケス/鼓 直/木村 栄一
価格: ¥567 (税込) 文庫 出版社: 筑摩書房 発売日: 1988/12 ISBN: 4480022775 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 16376位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |
凄い小説。既に映画(1983)化されている。VHSも以前売られていたが、いまや中古品も見つからない。最近、蜷川の舞台も上演され話題にもなったのに、あの幻想的な美しい映画がDVD化されないのは、何故だろう?この短篇を読み終えた人なら興味在るでしょ?もったいないはなしだ!スナック菓子のようなハリウッド作品(決して嫌いではないが)ばかりビデオ屋の店頭を占める昨今、もう少し、このような佳作が陽の目を浴びる環境が整う事を望む!
マルケスの2大傑作長編「百年の孤独」(1967年)と「族長の秋」(1975年)の間に生まれた作品集(1972年)。「百年の孤独」の後、恐らく「族長の秋」をまとめる過程で放出されたアイデアがこの作品群に纏められている。
描く恋愛の舞台がことごとく娼館である恋愛悲観主義者のマルケスだが、表題作「エレンディラ」も同様で、魔術的でうら寂しい、砂漠の蜃気楼のような作品に仕上がっている。
このちくま文庫版は昔から流通しているので入手もしやすく、マルケス入門編として読むのには、この表題作はうってつけだ。が、彼の真骨頂はやはり長編にあり、その濃密な世界と超絶的な技法の確かさを味わうなら、次いでまずは上記2作にステップアップしてほしい。
描く恋愛の舞台がことごとく娼館である恋愛悲観主義者のマルケスだが、表題作「エレンディラ」も同様で、魔術的でうら寂しい、砂漠の蜃気楼のような作品に仕上がっている。
このちくま文庫版は昔から流通しているので入手もしやすく、マルケス入門編として読むのには、この表題作はうってつけだ。が、彼の真骨頂はやはり長編にあり、その濃密な世界と超絶的な技法の確かさを味わうなら、次いでまずは上記2作にステップアップしてほしい。
20年ほど前に初めて読んだ時、なんの予備知識もなかったせいか、てっきり南米あたりの古代遺跡周辺に伝わる神話の類いなのだと思い込んでました。その後、「百年の孤独」をはじめとする作品群に接することで、自分なりのマルケス像を思い描くようになったのですが、「百年の孤独」と「族長の秋」と本書は折に触れ何度か読み直したりしています。本書はその二作に比べると、短編集ゆえの世界の狭さはあるものの、その密度においてなんら劣ることはありません、とまでは言いませんが、それなりにマルケス的なものを手っ取り早く楽しむことができます。ちなみに映画はいまいちです。
蜷川氏がちょうど「エレンディラ」を演出している舞台を見に行き、あまりに不思議で魅力的なストーリーに興味を覚え購入しました。
「大人のための童話」と言われると、確かに平易な言葉でストーリーが綴られていて読みやすく、不思議な含蓄に溢れています。南米では普通に女性が空を飛んでいるような風景に出会う、という解説の一節は想像力よりも、実際に見聞したことの方がずっと文章としてリアリティを持つのだ、という意味にもとれ、どう考えても不思議なマルケス氏の文章が、妙に納得の行くリアルさを持っているのはこの辺かもしれないと思われました。
奇想天外だけれども、SFやファンタジーではないリアルな不思議を是非読んでみて下さい。
「大人のための童話」と言われると、確かに平易な言葉でストーリーが綴られていて読みやすく、不思議な含蓄に溢れています。南米では普通に女性が空を飛んでいるような風景に出会う、という解説の一節は想像力よりも、実際に見聞したことの方がずっと文章としてリアリティを持つのだ、という意味にもとれ、どう考えても不思議なマルケス氏の文章が、妙に納得の行くリアルさを持っているのはこの辺かもしれないと思われました。
奇想天外だけれども、SFやファンタジーではないリアルな不思議を是非読んでみて下さい。
いかにもガルシア=マルケスらしい「物語の語り」に満ちている短編集。
日本に住む自分からは想像できないようなこと(天使を捕まえたり、海からバラのにおいが漂ってきたり)が、まるで日常のように起きる。
ラテンアメリカとはいったいどんなところなのだろうと、否が応にも想像力が踊る。
訳者があとがきに書いていたことだが、こういったことは、本当にラテンアメリカでは起こる、だから西欧のように手練手管を使う必要はないのだという、地元の人の話を読んで、訳者と同じくらいびっくりしてしまった。
魔術的リアリズムと呼ばれる彼の特徴はじつは手法ではなく、日常のリアルであるらしい。
それにしても、マルケスは娼婦に特別な思いを抱いているようである。
「エレンディラ」のベッドのシーツをしぼるシーンなどは、そのまま「百年の孤独」にあった一場面でもある。
物語が別の物語とつながって、彼の作品はすべてひっくるめて、ひとつの大きな物語になっている。
だから、長編の方がいいとか、短編の方がいいとかの評価はつけがたい。
やはり、表題「エレンディラ」が傑作。
とても印象的で、映像として心に焼きつくラストである。
日本に住む自分からは想像できないようなこと(天使を捕まえたり、海からバラのにおいが漂ってきたり)が、まるで日常のように起きる。
ラテンアメリカとはいったいどんなところなのだろうと、否が応にも想像力が踊る。
訳者があとがきに書いていたことだが、こういったことは、本当にラテンアメリカでは起こる、だから西欧のように手練手管を使う必要はないのだという、地元の人の話を読んで、訳者と同じくらいびっくりしてしまった。
魔術的リアリズムと呼ばれる彼の特徴はじつは手法ではなく、日常のリアルであるらしい。
それにしても、マルケスは娼婦に特別な思いを抱いているようである。
「エレンディラ」のベッドのシーツをしぼるシーンなどは、そのまま「百年の孤独」にあった一場面でもある。
物語が別の物語とつながって、彼の作品はすべてひっくるめて、ひとつの大きな物語になっている。
だから、長編の方がいいとか、短編の方がいいとかの評価はつけがたい。
やはり、表題「エレンディラ」が傑作。
とても印象的で、映像として心に焼きつくラストである。



