読んでいるうちに腹が立ってきた。読み始め数ページで、これほど腹が立ったのは初めてだと思う。鬱屈した主婦のわがままがつらつらと並べられていて、単なる女の利己話だと思わせられる部分ばかりだった。男性と共存していくことは女性にとって喜びでもあるはずなのに、まるで性的な対象としてのみ男性というものを捉えていて、それ以外ならば男性に何を言われてもムカつくヒロイン。
猛烈に腹が立ったのは、“子供を持つこと”に関しての記述である。
〈このまま子供を産んだら、もう自分は何もできない。そしてきっと子供を恨むだろう。それは絶対にしてはならない。(中略)なんの考えもなく子供を産んで、伊都子のように身動きとれなくなっている女は馬鹿だと思っている。〉
――個人的な話で恐縮だが、私は身体的にも金銭的にも不安定な環境の中、子供を産んだ。そして今も環境はさほど変わっていない。しかし、子供を産んで本当によかったと心の底から思っている。子供を持つことに関して、上の記述のようにしか考えられない人間、とりわけそれが女性なら(著者は女性である)、産んだことがないから命の愛しさがわからないだけだ。…もっとも、産んでも愛しさも感じられないような女性なら、すぐさま虐待や不倫に走ったりするのだろうが。
本書に表されているのは、詰まるところが“生きることに対しての悪性な欲深さ”である。現代という生きにくい時代を理由に、女性がわがままを並べているようにしか思えない話だった。
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柘榴熱
宇佐美 游
価格: ¥1,680 (税込) 単行本 出版社: 実業之日本社 発売日: 2005/10/16 ASIN: 4408534811 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 565802位 発送可能時期: ![]() |



