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脂肪と言う名の服を着て 完全版
安野 モヨコ
価格: ¥1,050 (税込)

コミック
出版社: 祥伝社
発売日: 2002/07/08
ISBN: 4396762798
おすすめ度:3.5
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5キレイ事ではすまないリアルな話
主人公は、摂食障害の女性。太めですが、優しい彼がいる。ストレスがかかると食べることで安心を得ますが、食べては吐き、食べては吐きを繰り返します。
その彼は、太っている女性を愛せる、そんな自分が好きという人です。
主人公を猛烈に苛める女性も強烈だ。見た目はモデル並みのその女性にとって、太っている女性は弱者で、自分の方が勝っているという価値観を持っている。ストレスがかかると、主人公をいたぶることで、安寧を得る。

心の脂肪とは何か。
主人公は同じことを繰り返すのか。
痩せている=キレイなのか。
弱者という「下」がいてのキレイなのか。

…など、想像力や思考力を刺激される傑作です。
5誰しも共感できる何かを持ってるはず。
怖ェ

っす。
このマンガ、怖ェっす。

そこらへんのホラーやサスペンスより、
よっぽど、怖い。


のこは“太め”のOL。

会社では、上司に叱られ、
同僚にいじわるされ、
嫌なコトばかり。

でも。


食べてれば大丈夫

食べられれば
なんとかなる

たとえイヤなことが
沢山あっても


そう言って、
大量の食べ物を口に詰め込む。

時には、泣きながら。


つきあって8年になる
イケメンの彼氏がいる。

でも、のこは
冷たくされても、
連絡を絶たれても、
浮気をされても、
彼に対して強く出れない。


太っている自分と
つきあってくれているんだから


なーんて
負い目を感じているから。


そんな彼も、
細くて美人の同僚に奪われ、
仕事のミスの濡れ衣を着せられ、

挙句に、

「あんた見てると
イライラするわ。

デブ!!!」


すべてを失った彼女は、
ダイエットを決心する。


痩せてさえいれば!!


彼も自分の元に戻ってきてくれる

皆を見返してやることができる


ただ、痩せてさえいれば!!


そうして彼女は
過食嘔吐を覚え、

極端に痩せていく。


さるきちは、つい自分の姿を重ねてしまう。

他人の評価が絶対的で、
自己を持たない、のこ。

過食嘔吐に逃げて
現実を見ようとしないのこ。


違う!そうじゃない!!


のこに対して、
エールとも、警告ともいえる言葉が
喉元までこみあげてくる。

そして、胸がぐっと苦しくなる。

嗚呼、さるきちも
同じことをしているじゃないか…



痩せた身体を手に入れたのこは
好きな洋服を買って、
オシャレな髪型にして
彼に会いにいく。


でも、久々に会った元彼は

絶句。

のこを無視するのだった。


あたしは、ここにいない

いるけど、いない


やせなきゃ

もっと、やせなきゃ



嗚呼、のこ、違うよ!!

違うよっ!!


さるきちは叫ぶ。

でも、その声は、もちろん、
のこには届かない。



半年後、

のこはたまたま
エステのお姉さんに出くわす。

以前、痩身コースに
通っていたのだった。


「太るのって、あっという間ですね…」

そう、のこはまた体重が増え
昔に逆戻りしていました。

「やせていたとき、あたし…
あまりいいことなくて。

周りの人も太れ太れってすごくて」

「だから太ったの?
あなたの身体なのよ。あきれるわね」


エステのお姉さんの言葉は、
この作品の総論といえよう。


あの子…

たぶん、繰り返すわね

身体じゃないもの

心がデブなんだもの



そして、のこは今も

脂肪という名の服を着て

生きている。



登場人物は、
どのヒトもココロがどこか歪んでいる。

デブをいじめることでしか
生きてる実感を得られない美人の同僚。

太っていて、弱くて
自分に絶対服従する娘じゃないと
つきあえない彼氏。

どの症状も
他人事とは思えない何か、を
感じることができる。


さるきちも、ココロがデブなのだ。

さるきちのアイデンティティって…?!


臆することなく、
憎悪と美醜の織り成す世界を
見事に描ききった
安野モヨコに感服。

おススメの一冊です。
4ゾッとしました
いろんな意味でゾッとしますが、一番恐怖なのは、太った主人公の裸体のリアルさ!若いのにオッパイが外側に向かって垂れているところとかでろんとしたお腹の肉とか、リアリティがあり過ぎてハッとさせられます。こういう「無様さ」をきちんと描けるところが凄いと思いました。
2他の作品のほうが好きかなぁ?
安野さんの漫画には、結構「太ってて、不細工」というキャラが存在しますね。
あと、「美人で意地悪」も(笑)。

内容が面白ければどんなキャラでも良いんですが、
この物語は、全般的にダークで後ろ向きなイメージが残り(主人公自体が後ろ向き)、
ダイエットがどうこうという話でもなさそうだし。。。
最後に何が言いたかったのか良くわかりませんでした(;'▽`A``

もちょっと主人公が、わかりやすく前向きだったりするほうが好きなので、
他の作品のほうが好きですねー。
3太っていても、そうでなくても読んでもらいたい。
太った人からの視点、優越感から主人公を虐める人間の視点。
太っている故に迫害されていると、自己陶酔から主人公と交際する恋人。

太る太らない以前の問題として、共通するのは「人」として、「男/女」としての醜さと弱さ。
右に倣え、の悪習慣、目に見えるモノだけしか受け付けなくなってしまった、日本社会の問題もやんわりと描きだしています。

読破した後、彼女らに対し、苛立よりも哀れにすら思えてしまう、自分も知らず知らずの内に…、と冷静に考えさせられる一冊です。




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