ひとつ前に戻る

ほかに誰がいる (幻冬舎文庫 あ 29-1)
朝倉 かすみ
価格: ¥600 (税込)

文庫
出版社: 幻冬舎
発売日: 2008/02
ISBN: 4344410777
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 275219位
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

amazonの詳細ページへ
ほかにもいるでしょう
「あのひとのことを考えると、わたしの呼吸はためいきに変わる」
 このようなうつくしい出だし、詩的な文体で、うっとりと読み進められるものだと思ってしまいました。
 なぜ、なぜ、中盤あたりから気持ち悪くて、生々しいことになってしまったのでしょう・・。それほどまでに想いを寄せる相手、賀集玲子は一見ふつうの女の子に見えます。それほどまで焦がれる魅力はなんだったんでしょうか?
 ただ、タマイという少年の出現はとても好きです。
忘れていました
小説にのめり込む自分を忘れていました。書店で働いているため、ゲラやプルーフなどが届くのでそれを読むのが精一杯で、小説を楽しむことができなくなり、活字を辿る事さえ食傷気味になっていた私に、読むことの楽しさを思い出させてくれました。『田村はまだか』のゲラは読んでいたのですが、まぁ、面白い地元の作家だな、というくらいの感想でした。でも、この本の荒削りな走った文章にこの作家の将来性を感じた気がします。最近の落ち着いた文章もいいけれど、この作品の疾走感を忘れないでほしいと思います。
光る原石
書店にて
わたしに呼び掛ける本がいる
どうれ…と
手に取ってみる

1ページ目をめくると
そこにはたった4行のプロローグ
その瞬間
もうわたしは囚われの身になった…

わたしはこういう事がたまに起こる
嗅覚とにている
なにか不思議な予感に似たようなもの
恋とも似ている

家に帰り
コーヒーをいれる
音楽はかけない
これは儀式なのだ
出会いの前準備なのだ
こういう本はきちんと礼をつくして読まなければいけない

…読んだ

とても残念な気持ちになった
それは失望ではなく
なぜこの本にもっと早く出会えなかったのか…
なぜこの作家に気付かなかったのか…
そんな気持ちだった

作文に毛の生えたようなケータイ小説が
山のように出版される現在…
人間の感情をセリフではなく内に秘めたものを…
一般人が書けない心の「ことのは」をきちんと描ける作家だ
貴重な新人を見つけた

朝倉かすみ
1960年生まれ 女性
145センチ41キロ
札幌在住
たぶん、日本一小さい小説家

この作品は長編としては最初の作品である
調べてみるとアンソロジーや短編などを除くと
4作の長編をすでに書き上げている

だめだ
急がなきゃ…
原石の光を見失わぬうちに

きっといつか
大きな賞を取ってしまわぬうちに

そうやってわたしの秘めやかな儀式は
これから繰り返されるのです………
急がなきゃ…



本のみちしるべ Powered by Amazon Web Service
PR: FS研究室