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さよならの代わりに (幻冬舎文庫)
貫井 徳郎
価格: ¥720 (税込)

文庫
出版社: 幻冬舎
発売日: 2007/08
ISBN: 4344409981
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 101757位
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残念
ぶちぶちと細切れの文体が読みにくいが、それよりも何よりも登場人物たちの思考・言動があまりにも俗っぽく、正直読むのが途中でつらくなった。それにトリックがあまりにもしょぼい。しかし、ラストにはそれを補って余りあるだけの余韻があった。細部が洗練されていないことが本当に惜しい。
絶対に過去は変わらないのか…
正直、この話の結末である殺人のトリックは、あれほど思わせぶりに書いていたにも関らず、「あれっ??」って感じで拍子抜けするものでした。そういう意味ではこれはミステリーではなくSF青春小説って感覚で読んだ方がいいのかな。

この小説のSFチックさは、他の貫井作品には見られなかったもの。しかもそれがすごく面白い!それだけでなく、主人公の所属する劇団に関する描写も演劇の世界を知らない僕でも見事に惹きこんでくれました!

また、片思い一直線な主人公と、未来から来たというミステリアスなヒロイン。リアルさが売りの貫井さん(僕の勝手な解釈)の書いたこの2人の結末には正直胸が締め付けられました…

ただ、この小説で少し残念に思ったのはあの「解説」。私は、自分の解釈を確認するため、他人の解釈を知るために、必ず解説は読むんですが、あれはマジで理解不能。

「…だから、軽重、現実的/非現実的を問わず貫井作品では、モティーフもプロットもキャラクターもディティールも文体も、すべて等価の必然性となって、その主題に奉仕する。そこでは、アイディア/トリックとテーマ性もまた等価に一体化する。…」

…なんのこっちゃ?自分の知ってる横文字の多さをひけらかすためじゃなく、もっと読者に分かりやすく解説を書いてほしい。最後にちょっと後味の悪さが残りました…
ミステリ+SF+青春小説
「タイムスリップ」というSF仕立てのミステリ小説。
劇団の仲間が殺される事件を、劇団員である主人公の和希の視点で描いている。
ミステリの部分は別に荒唐無稽ではなく、謎の少女祐里とともに真犯人を探すストーリーになっている。
それとともに主人公の片思い・劇団での人間模様などが青春小説風に描かれている。
そして切ないラスト・・・。

軽妙な語り口でぐいぐい読み進むことができるのだが、ミステリとしてもSF、青春小説としても、それぞれ少し物足りない。
たとえば殺人の動機や犯人探しの動機が弱いと思う。主人公と祐里の関わりももう少し深いほうがラストが生きたと思う。
そういう弱点はあるが、休暇に楽しいひとときを過ごせた小説だったので、ちょっと甘めだが星4つ。



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