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雨にぬれても (幻冬舎アウトロー文庫)
上原 隆
価格: ¥520 (税込)

文庫
出版社: 幻冬舎
発売日: 2005/04
ISBN: 4344406532
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 103831位
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美術館で上原隆個展を眺めている気分
本作は、市井に生きる普通の人々の日々、
一日のほんのひとコマといった情景を、
著者が自ら足を運び、一つの風景画のように描写したエッセー集です。

前2作に比べると、より取材対象者の生の声や姿を描き、
読者が自らの感性で何らかの意味を読み取ることが求められているような気がします。
「答え」を求める人には物足りないかもしれませんが、
喧騒から離れた美術館でゆっくり絵を眺めて歩き回っているような気分になりました。
みんな何考えながら生きていますか?
世界を形成しているのは、普通の人々である。偉人や超人だけが存在しているのでなく、大多数は普通の人である。普通の人々の考えていることや経験してきたことを知る機会は余り無い。普通の人は伝記を書かないし、ブログや飲み屋で聞く話はどこまで真実や本心かわからないからである。でも私は知りたい。みんな何を考えながら生きているのか。行き続けているのか。
本書は営業車の中、FMラジオの書評で知った。その日のうちに書店で購入。帰宅後むさぼるように読んだ。そこには普通の人々の凄まじい生き様が描かれていた。ここに描かれている普通の人々の人生こそ、生きる意味を僕たちに示してくれる。いろんなことがあるけど、それでも生きなければならない。いろんな人が僕の知らない苦悩を抱えながら生きている。そんなことを知ることができる本書。自分だけでない、と応援してくれる本書。現代人必読の書である。
その後「友が我よりえらく見える日は」「喜びは悲しみのあとに」と作者の書を買い揃えた。どれも期待を裏切らない出来であった。上記2冊のレビューは無し。このレビューと同じになるから。
どれでも良いから書店で手に取って欲しい。あなたをきっと助けてくれる。
競馬好きの方に是非
某競馬雑誌に紹介されていたので、早速読みました。冒頭の『墓参り』競馬好きなら泣けます。
そして、自分にとって競馬とは何であるか…という事を改めて見つめ直したくなりました。
私は疲れた中年の範疇に入る人間ですが、自分の場所を見つける努力をあきらめない気持ちをこの短編からもらえるような気がしました。オススメです。
暖かく心にしみる
『友がみな我よりえらく見える日は』『喜びは悲しみのあとに』に次ぐ上原隆のノンフィクション・ルポルタージュ。普通の人、というより普通から少しドロップアウトしている人達を対象に取材したもの。そこに描かれるのはこんな人達だ。

「アルコール依存症で兄を亡くした弟、二人で頑張っていたが社長に自殺された女性、戦争中、学校に行けず夜間中学で字を学び直す69歳の老人、家族を捨てホームレス生活をしながら夢を追い続ける42歳のお笑い芸人・・・・・」

カッコイイ話、ドラマティックな展開というのは特にあるわけでは無いが、紹介されるエピソードはなんとなく暖かく心にしみる。どちらかと言えば自分自身少し疲れた中年以上の世代むけかもしれない。

内容の濃い文章
この著者の幻冬舎アウトロー文庫の三作目。
これは月に一回、幻冬舎のウェブマガジンで連載されていたもので、
短い期間に書くのは大変だったと思われる。(本人も大変だったと書いている。)
でも、前二作に比べて、取材の手は抜いていないし、一つの文章に取材したことが凝縮されているのがわかる。
また、文章も絶望的な文章から楽しい文章まで多岐にわたっていてユニーク。でもその分、読んでいて忙しい印象を受けた。
上原さんの、「新聞にのるようなコラムニストになりたい」というのはわかるが、私は上原さんには、じっくり読ませる人になって欲しい。



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