「友がみな」がとても良かったので期待して読んだが、それほどでもなかった。取り上げられたエピソードのインパクトが弱いせいかな、と思ったが、あとがきをよんで納得した。前作が評価されることで作者は自分の「テーマとスタイル」を手に入れ、同時に自信を得ることができたが、それと引き替えに創作の原動力となっていた劣等感を失う結果になった。先の見えない不安や寂しさを抱えて生きる無名の人々の視点に立つのが難しくなったのだ。もちろん、満たされない日々を過ごすのはしんどいことで、それを脱することができた作者には、おめでとうと言うべきなのかもしれない。
代わりに書いてあげればよかったかな。わたしはまだ、救われてませんから。
喜びは悲しみのあとに (幻冬舎アウトロー文庫)
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