吉本ばなな、一時の異常なブームは去ったが、相変わらず精力的に作品を発表している。その異常ブームが落ち着いた後の作品も相変わらず、自然体でほっとする文体は健在。そして心の中の悲しみを呼び起こし、静かに慟哭しそのあと気分がすっきりする、そのマジックは変わらない。
この小説の装丁とイラストも高く評価したい。
彼女はどんどん小説家としてうまくなっている。ここに収録されている作品もよくまとまっている。しかし読後感が浅い。あまり心にとどまらない。
彼女の今後以前のようにしっとりとした読後感と余韻を残すものを期待したい。
不倫と南米―世界の旅〈3〉 (幻冬舎文庫)
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登場人物の思考や気持ちを無理矢理作り出しているようでリアリティーが感じられない。そもそもアルゼンチンと不倫を無理矢理くっつける必要があるのか。南米を舞台にしても、退屈な日本人の不倫話はやはり退屈だ。しかし、写真はすごくきれいである。観光ガイド本的な考えで書いたのなら成功だと思う。
ただ、南米にいきたくなった。
題名が少し気になったけど、南米が日本から見てちょうど地球の反対側にあると思えば、すごく納得できた。
題名が少し気になったけど、南米が日本から見てちょうど地球の反対側にあると思えば、すごく納得できた。
南米を舞台にしたストーリーが主に展開され、主人公は日本の女性ゆえ日本の生活での営み、人間関係が描かれたりとただの旅行小説でなく、物語の中に抵抗感がなく入っていけた。
南米は異国情緒あふれる町であり出てくる地名、場所の雰囲気も日常とはまさに異なる空間でしかし、今、現在も存在している空間だ。主人公はそれぞれ、外から見たら小さいかまたはわりと重大かもしれない人生の悩み、ひっかかるものを感じている。夫に恋人がいたり、または結婚していても好きな人がいたり、または夫との生活に安らぎを感じている人がいたりする。主人公の女性たちは何らかのつながりで南米に行く。旅行、仕事など。
小説には南米のすばらしい自然、遺跡、町並み、人々の生活などの風景の写真、挿絵もあり、短編のお話それぞれにおける南米、アルゼンチンなど、主人公たちの心の動きに影響を与えている空気を想像するのも楽しい。
今、ある状態をあるがままに受け入れ、さびしかったり楽しかったりする日常の営みを、南の遠いそれでも確かに存在する異国の実感に触れることでさらにゆったりとした心でとらえていく気持ちにさせてくれました。
インパクトのある表紙だけでなく、本文中の挿絵もすべてカラーで、とても美しいです。南米をテーマに、少し不思議で、切ない短編小説が7編。挿絵のみならず、美しいアルゼンチンの写真が豊富で、最後に作者の旅エッセイもついています。
ビジュアル的にも楽しめる本です。
ビジュアル的にも楽しめる本です。



