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コンセント (幻冬舎文庫)
田口 ランディ
価格: ¥630 (税込)

文庫
出版社: 幻冬舎
発売日: 2001/12
ISBN: 4344401808
おすすめ度:4.0
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   著者はインターネット上で6万人の読者を持つコラムニストだ(2000年現在)。その独自の視点と圧倒的な文章に魅了された読者も多いことだろう。初小説となるこの作品もまた、彼女の深遠な世界を描き出したものである。

   金融雑誌の編集ライター、朝倉ユキ。彼女の兄が死んだ。2か月前から行方不明だった兄は、引きこもり、衰弱死して行ったのだ。見つかったのは無惨にも腐敗した死体。部屋に残された、コンセントに繋がれた掃除機だけが死とは裏腹な印象を残していた。兄の死とコンセント、この2つの事象が、ユキを生の追求へと駆り立てる。

   死んだはずの兄の姿はたびたび彼女の前に現われる。幻覚なのか現実なのか。兄は何を言わんとしているのか。その答えを見つけるべく、過去に関係のあった大学教授、国貞にカウンセリングを求めるが、心理学という学問が出す答えに疑問を抱き、オカルト的ともいえる観点にリアリティーを見いだしていく。それは、彼女の狂気を意味するのだろうか。そして、ユキがたどり着いた答えとは…。

   人の死に直面した時、どのように自己の生の中に解決を求めるのか。心理学を学びその方面にも造詣の深い著者が、人々の生と死を深く見つめそれを官能的に昇華させていく。ある意味、現在の心理学に疑問を投げかけ、生と死の境界を非現実的な観点から現実へとみごとなまでに取り込んだこの作品は、「狂気」に新たな理解を吹き込み、その可能性を指し示した、未来へのメッセージとも言えよう。(江口朝美)

死との向き合い方
過去、恐らく最も多く主題として取り上げられてきたであろう「死」について、コンセントや精神分析というような近代的なテクノロジーと原始的なシャーマニズムの両方から、アプローチする新しい、現代の物語。
シャーマニズム的にトランスし、テクノロジー的にホストにアクセスする。こういう死観?は手塚治虫の火の鳥やブッダを連想させ、特に新しいものではないだろうが、表現がより現代的な分、共感しやすいかも。
私は兄の死の意味を探る過程で自分自身と出会っていく主人公の場面、場面に共感できました。
コンセント
テーマは興味深いものだったので中盤まではドキドキしながら読んだ。
後半はやや飛ばしすぎという感じでついていけなかった。
エンディングもいまいち納得いかず。
魂が感じられない
スピリチュアルなものを訴えている作品だが、実際のところ本書には、聖的なものなど微塵も感じられない。
作者の魂が感じられず、中身がスッカラカンだ。ツクリモノ臭さが全面に漂っていて、陳腐な印象を免れられない。

昨今こういうタイプの作品の書き手は多いが、少数の本物と大多数の偽物に大別されると思う。石原慎太郎氏が批判なされるのも、これなら頷ける。
わかる人にはわかる
この本は、独我論者の本です。
独我論者の思考過程をなぞってるみたいな本です。(正確には独在論かな)
ウィトゲンシュタインってゆう哲学者の『論理哲学論考』って本の中に次の1説があります。

「5.621 世界と生はひとつである。
 5.63 私は私の世界である」

正に、「コンセント」が行き着いた先を示しているように思います。
本作品の受容のされ方は様々だと思うけど、田口ランディのすごさは、独我論的な思考を現代的な形で捉えなおした点にある気がします。

本作品の「考え方」に興味を抱いた方は、永井均『子供のための哲学』や西尾維新の「戯言シリーズ」を読まれることをお勧めします。
カウンセリングへの道
彼女の文体は少しベタッとしていたが、いやではなかった。兄が不審死をしてドラマは始まる。日常の非日常を描いて進行するのかと予想を立てていたら、後半、突然、シュールな場面が描かれる。
山場に向かってハリウッドのホラー映画のようなヴィジュアルな描写で幻想的な世界が現出するのだ。

すごくエッチな場面も各所に配置されているし、こりゃあ、読み応えのあるエンターテインメントだよ。
オチはマンガかなー。「コンセント」の意味を作者とともに考えさせられるけれど、まじめな振りしてるだけだから本気になると読んでる者は傷つくゾォー。

時間つぶしにはお薦めのプチエロSF(SMではないけど)掌編の一冊です。



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