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摂氏零度の少女
新堂 冬樹
価格: ¥1,575 (税込)

単行本
出版社: 幻冬舎
発売日: 2007/11
ISBN: 4344014308
おすすめ度:3.0
Amazon ランキング: 264193位
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リアル!!
主人公の涼子の思考と本を読んだ自分の思考とは正反対だなと感じました。母にタリウムを与える行為は彼女の中で正当化されたことで普段深く考えもしない色々なことが彼女にとれば悪なのだと思わずにいられなくなりました。彼女がこの行為に駆り立てられる原因は幼い頃に飼っていた愛犬を病の苦しみから解放するために安楽死という形をとった時の母の「死ぬことで楽になったり幸せな世界に行ける」という言葉からきている。働かない父にかわり働きずめで苦しんでいるであろう母と愛犬の死の状況を重ね死で母を苦しみから救う考え方だ。心の中の葛藤で楽するためじゃなく苦しんでいる母を見たいだけじゃないの?と良心に問われる部分がある。もしかしたら彼女の中にも愛犬に安楽死を与えた母に恨みをもつ心があったのかもしれないそう考えると理解しがたい言動が人間らしく見えてくる。自分にも彼女と共通する部分があるかも、と色々考えさせられる寂しく切ないリアルな物語。
心の闇が
医学部志望の優秀な少女が、母にタリウムを飲ませ、殺そうとする…。新聞でこの事件を知ったとき、彼女は母によっぽどの「憎しみ」を持っていたのだろうと考えていました。
本書はノンフィクションということですから、ここに書かれていることがあの事件の真実とはいえないのでしょうが、作者が彼女の犯罪の芯に「母への愛おしさ」を持ってきていることに愕然としました。
小さな頃にかわいがっていた犬を安楽死させた母。「苦しむよりも楽になること」を良しとした母。夫が仕事につかず、働きづめの母を「楽にしてあげよう」との理由で、殺害しようとたくらむ少女。心はとうに壊れているのですが、彼女なりの世界観で殺人を正当化しようとする不気味さ。
やはり子を持つ親として、彼女の心の闇を知りたいと思いながらも、どうしてもつじつまが合わず、結局この子は悪魔に魅入られてしまったんだと結論付けるしかない。読後、どうしようもない無力感に襲われた1冊でした。
摂氏零度のカスタマレビュー
比喩に物申したいことがあって投稿させて頂く。

まず、204ページの9行目の『吸血鬼のように赤く』という比喩はあまり正しいとは思えない。
吸血鬼を思い浮かべてみるが、吸血鬼には赤いところはないと推測する。
『吸血鬼』という比喩は、あまりよろしくない比喩だと思う。

次に、273ページの『光なき漆黒の闇』だが。
これも、如何な物かと思う。
『漆黒』とは、漆を塗ったように黒く光沢や艶があるということだ。
だが、光沢や艶が在るということは光があるということになってしまう。
前の『光なき』と矛盾してしまっている。


さて、本の内容としてはストーリは面白い。
主人公が母を殺害しようという動機も、良いと思う。
また、主人公の生命倫理も題名の『摂氏零度』に相応しいと思う。

だが、個人的に書かせて頂くと、最初と最後で辻褄が合わなくなっている気がする。
フィクション?ノンフィクション?
2007年末に清野かほりの「スパイラル」(ポプラ社)を読んだ時、
帯で新堂冬樹がその本を絶賛していた。
それまで新堂冬樹作品を読んだことがなかったのだけれども、
他の作家を褒めていながら、自身も同時期にこの本を出版している・・・
どんな話を書く人なのだろう?と、興味を持って読むことにした。
何の前知識もなく読んで驚いた、これは2〜3年前におきた静岡の女子高生による
母親毒殺未遂事件がベースになっていたからだ。
読み進めれば進めるほど、あの女子高生が書いたのでは?と錯覚してしまい、
何度もゾっとし、不快な気分にもさせられた。
決して楽しい作品ではないが、恐いもの見たさに少女の心理を
垣間見ることのできる面白さがこの本にはある。
楽しくない。
楽しくない作品。
なぜなら楽しい話ではないから。

この作品で最も伝えたかったのは、表紙のラベルカバーにも載ってあった通り「少女の心」。
そのため、作品中では無駄な情景描写等を控え、高校生にして殺人に手に染めた少女の狂気を一層際立たせようとしたものだと思う。

完全に狂っているとしか言いようのない彼女の思考、そして脳内世界。
内容が薄いと感じるか、内容が濃いかと感じるかは、作者の意図するものを読み取れるか読み取れないかにあると思う。

あなたは読み取れますか?
エリートの太鼓判を押された少女の、背筋が凍るような妄想を。



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