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みなさん、さようなら
久保寺 健彦
価格: ¥1,575 (税込)

単行本
出版社: 幻冬舎
発売日: 2007/11
ISBN: 4344014154
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 71061位
発送可能時期: 通常3~5週間以内に発送

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青春の苦味
生まれ育った団地の敷地内から出られなくなり、そこで
青春時代を過ごすことになる男の子の物語。この変わった
設定が、この本を手に取るキッカケでした。

もしかして巷に溢れるような、世間を斜め四十五度から
見つめた勘違いブンガク系オタクの身勝手な独り語りかと
思っていたのですが、いい意味で予想を裏切られました。
しっかり物語っている、実に小説らしい小説です。

閉じた世界の中にこもり、開いた世界へと次々と旅立って
いく同級生を見つめる主人公の眼差しはドライでありつつ、
実に切ない。
ひたむきで、だけどどこか屈折した彼の生き様が、同じよう
に団地で育った者として、また、閉じた世界から抜けられな
い者として、心にビシバシと響きました。

未来の希望を感じさせるラストに、自分もまた救われた
ような気分です。余韻の残る小説に久しぶりに巡りあえて
なんとなく得した気分です。

そういえば、最近、気が付くと手に取っている本は
ほとんどが幻冬舎の本ばかり・・・・。
幻冬舎、いい感じですw
閉ざされた空間における物語り造りが絶妙
団地の中だけで生きていくという荒唐無稽な話に、現代社会が抱える問題を見事にシンクロさせた良作。
団地の変貌を通して、日本社会の衰退までが見えてくる。
著者のブラックジャックキッドを読んでいたので、かぶる部分が多く、この評価になりました。
世界を変えるのは誰だ?

生きづらい社会に直面したとき、、、

男は自らの世界を変えようとする。
女は自らの体を変えようとする。

ゆえに、
男は自分だけの世界にひきこもり(直面している社会は簡単に変えようがないので)、
女は自分の体を変えるためにダイエット、過食、拒食、自傷、整形に走る。

主人公はある事件をきっかけに、
自分の世界を「団地内」に構築する。とても興味深い設定だ。
単なるひきこもりではなく、団地にひきこもるという設定。

自分の世界を変えた主人公はどこまで生きられるのか?
壮大な実験だ。

結末は読んでのお楽しみだが、
今の社会に生きづらさ、息苦しさを感じる人は一読してほしいと思う。








団地の街で
東西南北を歩道と道路と線路で区切られたとある団地。
そこまでマンモスではなく,あまり小さな規模ではない団地です。
そこには保育園,酒屋,ケーキ屋,中華料理屋などと図書室などを備えたコミュニティセンターがあります。
その近くの小学校で100人を超える団地の子が同級生として卒業しました。
物語はその春,中学進学の時から始まります。
小学校無遅刻無欠席だった渡会悟は,中学校には通わないで団地の中で過ごすことを宣言します。
団地の外の社会への窓口は小学校時代の友人達と母親のみで成長すること。
少し聞いただけではとても「ゆがんだ」生活になりそうですが,あにはからんや,悟君は自分で体を鍛え,自分で就職先を探し,すくすくと育っていきます。
そのありえないまでの普通の(普通よりもかなり明るめの)青春ぶりに,小説を読んでいるのではなくルポを読んでいるかのような錯覚を覚えます。
そして,明かされる様々な出来事,着実に流れ行く時間。

団地がノスタルジックな存在として一部で注目を集める現在,時間を物語に組み込むには最高の舞台でした。
心的外傷性抑圧下の二十年の生活記
不吉なタイトルだと思ったが,内容も暗いものだった.5階建て19棟の小さい団地の外に心的外傷性抑圧のために出ることが出来ないまま,主人公は30歳まで過ごし,出るときはショルダーバッグ一つで駅に向かう.どこに行くのか,どうやって生きてゆくのか, 'おれ' は何も語らない.しかし,出てゆく社会から見れば,'おれ' は日本語しか話せない,社会的経験のない外国人も同様な存在に過ぎない.この重い事実を前にして,私は耐えられない苦痛を感じる.作者はこの点を敢て空白にしたのだろうが,私には無責任に思える.タイトル通りに,'おれ' は死ぬ気なのではなかろうか,と心配である.これは始めから終りまでサスペンスに満ちた不可解な物語で,再び読む気にはなるまい.



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