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吉原手引草
松井 今朝子
価格: ¥1,680 (税込)

単行本
出版社: 幻冬舎
発売日: 2007/03
ASIN: 434401295X
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 11618位
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3吉原ガイドブック
吉原一と謳われる花魁葛城が忽然と姿を消した。彼女がどんな女性でなぜ消えたのか。
ある人物が彼女の関係者から話を聞いて歩いていく。そしてその人物の正体は。
一人一人の語り口で真実が少しずつ明らかになっていく話です。

その時代の語り口調で描かれていることで、吉原という妖艶な世界観が強調されていて面白い。
そして吉原の特異な仕組みも読みながら自然と入ってくる。
しかし直木賞受賞と期待していた分、真相が明らかになった時の気抜け感はありました。
3うまい。けど、既読感が拭えない。
初めて松井氏の作品を読みました。
どの登場人物も語り口がみな近いので、同じに見えてきてしまうのが欠点でしょうか。
全体にそれほど破綻していないと思うのですが、カタルシスや情感があまりない。
著者は歌舞伎に造詣が深いと思いますが、その割には立体感がなくて平面的。
吉原を描いた作品は時代物には多いので、すでに知っていることが多いのですが、
それでもその情感を感じさせる何か(たぶん、色や音、香りや味といったもの)が
もう少しあれば浮き立ってくるはずなのにな、と感じました。
ミステリーとしては弱い、というか、そもそもこれはミステリーか?というところで、
読了後の「まいった、やられた」感があまりないのも残念。
3インタビュー形式が足かせになったか
何人かの方が書かれているように、形式を固定したことにより、途中で単調に感じてしまう。
吉原の構造を紹介していくという意味では、非常に有効な方法だったが、人は変わっても語られる花魁の人物像にあまり変化がないことが原因だろう。
この形式を貫くなら、ある人は非常に親切だったと言い、ある人は恨んでいる…とこのくらい反転しないと、「吉原」が知りたいんじゃなく、「葛城」という人間が知りたいんだから!
文章は滑らかで、非常にこなれている。
インタビュー形式という足かせがなければ、もっと魅力的な物語になったのではないかという気がしている。
3期待したのにぃ!
直木賞受賞、時代物、吉原物と聞き、かなり期待して読みました。
確かに、読み進めるごとに、吉原の文化・風習が分かるようになっていて、
吉原についての知識と物語が同時進行で入ってくる、という意味ではうまいと思いました。
ですが、「インタビュー形式の構成で1人のミステリアスな女性を探っていく」というカテゴリーでいうなら、
有吉佐和子の「悪女について」の方が、俄然面白く、上手いと思います。
直木賞受賞作ということでハードルが自然と高くなってしまったせいかもしれませんが、話の深さという点では、ちょっと期待外れでした。
5プロの作家の創造力に脱帽
江戸の噺です。正体不明の若者が、吉原の中であちこち聞いて回るうち、
・引手茶屋の内儀
・妓楼の見世番、番頭、新造、遣手、楼主、床廻し
・幇間、女芸者、船頭、指切り屋、女衒
・客
花魁・葛城の、それぞれにとっての人となりが鮮やかに浮び上ってきます。そして、葛城がどんな理由で何をしたか、途中からはミステリーになります。読後の清々しさは、造形された葛城の見事さによるでしょう。
「吉原御免状」は男の想像力、「吉原手引草」は女の想像力と言えるのでしょうか。プロの作家の創造力に脱帽しました。

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