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美女缶
筧 昌也
価格: ¥1,470 (税込)

単行本
出版社: 幻冬舎
発売日: 2005/12
ISBN: 4344010876
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 384259位
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ちょっと欲しいな、美女缶…。
「美女缶」なる非現実的な缶詰からはじまった純愛がありました。全国ネットでのTV放映やDVD化も(小説化も)納得の作品です。ページをめくる手が進む進む! 主人公と美女缶の美女(四季)はホント生き生きしてて楽しそう! 恋人同士はこうあってほしいものです。内容は恋人が急性の白血病よりもありえないシュチュエーションではあるけれど、読み終えた時、悲しくて涙がとまりませんでした。現実の世界にもひょっとしてあのカップルは美女缶で出来たカップルかも!?って思いたくなる時ありますね。売ってるのかな、美女缶…。
ドラマを観ました
今年の春に放映された『世にも奇妙な物語』を観て、とってもおもしろかったので小説も読んでみました。基本的にはドラマと同じですが、シチュエーションと結末が違うし、ドラマよりも主人公の切ない恋心が伝わってくるので恋愛小説としても楽しめました!
でも、結末を知らなければ、もっと楽しめたのにと思います。


メディアミックスによって進化していく才能
まず始めに自主制作映画として作られた映画版『美女缶』があった。言わばパイロット版とも言うべきその作品を基にして、やがてフジテレビ「世にも奇妙な物語」の中の一篇「美女缶」が製作され、オンエア終了後には公式ホームページにアクセスが殺到。石井克人の「Black Room」に匹敵するほどの反響を呼ぶ。そして2005年、冬。ほんの小さなアイディアから始動したはずのこの物語は、遂に小説版としてもリリース。この一連の流れは紛れもなく作者・筧昌也の才能をマイナーからメジャーへと導き出そうとする周囲の確かな目によって企てられた力学とも捉えられる。

特筆すべきは、筧氏の文筆家というよりはエンターテインナーとして読み手を魅了する構成トリックの数々だ。僕は映画版もテレビ版も既に体験済みではあるが、その状況をもってしても(つまり基本的なストーリーを承知していても)魅せられる部分は数多く、いや実は“だからこそ”魅せられたのかもしれなかった。

かつて映像作品として観客・視聴者を魅了した語り口、そして掴みとなる展開力を、まるで目の奥に像が浮かんでくるかのような文体の妙味として楽しむもよし。あるいは映像の見所を思い切って削ぎ落とし、小説独自の見所として新たに起動させた諸描写に心奪われるもよし。またそのすべてを取り巻くどこかヒヤッとした冷たさを感じる世界観にゆっくりともたれかかるもよし。最終的にはそのいずれからも人の体温を直に伝える“四畳半SFファンタジー”の醍醐味を、確かな手応えと共に受け取ることになるはずだ。

個人的には「映像→小説」という視点のスイッチによってもたらされたクリエイターとしての経験値が、この先の作品群にどのような影響を与えていくのか大いに期待したい。もちろん彼の名前はまだまだ“知る人ぞ知る”存在。今のこの時期から今後の成長に着目できる喜びを、この小説は充二分に醸成してくれる。
3個目の缶詰
作者の得意とするポップでエンターテインメント志向のある数々の仕掛けにクスリとしながらリズムよく読み進めていくうちに自然と作品に入り込んでいける。

過去の作品(映画版・テレビ版)を見たことのある人には知られてしまっているストーリィだが、同じ人間がいないように、それぞれの『美女缶』には違ったドラマが詰まっている。

そして3個目の『美女缶』は最も切ない。文章によって静かにじっくりと掘り下げていく時間があるからだ。
ここに映像作品を文字にした意味と功績があると思う。

映像作家を本業とする作者の絵コンテのような文章と計算されたストーリィ展開。
『美女缶』の結末を知っている人はその過程を丹念に追いながら過去の作品との違いを読み解き、『美女缶』に初めて触れる人は作者の仕掛けた周到なプロットに身を委ね『もしもこんな缶詰があったら?』という錯覚を楽しんでみてはどうだろうか。



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