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嫌われ松子の一生 (幻冬舎スタンダード)
山田 宗樹
価格: ¥1,000 (税込)

新書
出版社: 幻冬舎
発売日: 2003/07
ISBN: 4344009142
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 64848位
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実話ではないの?
今から15年くらい前、萩(山口県)で行われた映画関係のセミナーに参加していた。
そのとき来ていた映画監督の一人が「こんどこういう女の一生を俺が映画にするんだ!」とアッピールしていた。今考えるとそれが、わたしが始めて松子という女性(実話です、本当は)を知った時だ。萩で聞いたときは、松子は体育の教師だったような気がする。荒川の近くで殺されたのは本当らしい。統合失調だったように思う。
アエラの記事になったので(その映画監督のインタビューと新しい映画の内容)わたしは地元に帰ってきてから図書館でアエラのバックナンバーを引っ張り出して読んだのだ。

でもその映画監督は才能はあるんだけど、あんまり資金が潤沢じゃないみたいで、その女の転落劇を「桃井かおりを主演にして」撮るという計画は15年後の今でも実現されていない。松子が桃井かおり。うーーん、いいかも(笑)。監督は4人の女優を使って一人の女性を撮るって言っていたんだよ。松子は男性から男性へ渡り歩くけど、一人一人の男にとって、まるで別の女のように見えただろうから、一人の女を四人の女優を使って撮りたい、とか言ってたな(アエラに書いてあった)。

松子の物語も小説化され、映画になり、テレビになり、わたしにはすぐに「あ、あのときの映画監督が言っていた女の話だ」ってすぐに分かった。
それぞれなんだけど。
泣くんだろうな?って、思いながら読み進めていたのですが。
まったく《泣かなかった。》アタシがいた。

物語の書き方?だったから?でしょうか?

松子の視点から『わたし』という書き方の章と。
叔母松子の死後に、初めて松子の生き方に出会っていく甥の笙(しょう)からの視点。
交錯していくお話。

生々しく、現実っぽかかったから?
ドキュメンタリー観ているみたいな感覚で。
淡々と読み進められて。一晩で読破OKでございます。

考えさせられます。松子の行き方。選択の仕方!
でも、言葉にまとまんないアタシがいるかも。

ボタンのかけちがい?すれ違い?戸惑いっている。
きっと、絶対、もっと違った人生を歩めた女性がみえてくるから。

どうして?

って。トコなのかしら?

松子より、教え子だった『龍洋一』に寄り添うことができるアタシがおります。
“激しく”、“濃く”、精一杯生きた松子
中谷美紀主演でミュージカル仕立ての映画になったことにより、’03年に書かれた本書が、原作として一躍ブレイクした。
川尻松子の、23才の新任中学教師時代から53才で孤独な死を迎える、昭和45年から現在までの波乱の生涯を描いている。

この小説は、映画とは異なり、松子の存在すら知らなかった甥が、彼女の辿った人生を追跡してゆく章と、松子自身が実際の出来事を語る章とが交互に交錯して展開してゆく。彼がつかんだ事実から謎が広がり、それを松子の一人称が明らかにしてゆく。さすがはミステリーの新人賞で世に出た著者ならではの、読み手の関心を先へ先へとどんどん進ませ、ページを繰る手を休ませない叙述スタイルである。

一般に本書は「転落の人生」、「男運のない女」、「流転の生涯」の物語として受け止められるのだろうが、私は読み終えてまた別の印象も受けた。

松子は、最初と最後の事件を除いて、情熱的で激情的な性格ゆえ、「今はこれしかない」、「思い込んだら命がけ」とばかりに、自ら過酷な状況に飛び込んで、いずれも裏目に出て幸せにはつながらないのだが、その時その時を精一杯生きたといえるのではないだろうか。

能天気で軽薄大学生だった甥は、はじめは興味本位だったが、次第に松子の人生の軌跡を追うことに没頭し、ついには裁判所の傍聴席で激情するまでになる。彼は単に松子の生涯の悲運に同情したのではなく、彼女の生き様の凄まじい迫力とか情念といったものに心を突き動かされたのだと思う。

本書では、松子の41才から50才までがわずか1ページで記されているだけだが、彼女は40代の10年間分をそれだけで済ませられるほど、それまでの20年弱を“激しく”、 “濃く”生きてきたのである。
哀しい物語・・・
 この小説は、昭和40年代、高学歴で教師というお堅い職業に就き、
きっと周囲や本人も明るい未来を信じて疑わなかったであろう一人の女性の
転落人生についての物語です。
 人から見れば愚かな女、ということになるかもしれませんが、
きっと松子は幼児期の体験により、人から愛されること・必要とされることを
渇望するようになっただけの、愛に飢えていたかわいそうな人なんだな、と思いました。
 そして彼女の人生の終焉は、なんだかリアル過ぎて、居たたまれない気持ちになりました。
 物語の内容からして読後感は決していいものではありませんが、
物語に入り込んで一気に読めてしまうし、そういう意味ではおすすめの一冊です。
運命に翻弄される女性の流転の人生
物語は、ボロアパートの一室で女性の遺体が発見されたことから始まります。
主人公松子の甥がアパートの整理をまかされたことから、松子の死の謎を追う甥とその彼女、そして松子の過去の回想が錯綜していきます。
国立大学を卒業して中学教師であった松子の転落の軌跡が、次第に明らかになってきます。

松子が悲しいまでに求めた愛、それを誰も彼女に与えてやらなかったと言ってしまえばそれまでですが、
頭脳もそれを活用する力も充分にあった松子が、どうして、もっと自分自身をもう少し大切にしてやらなかったでしょう?
最後にどん底まで墜ちた松子が立ち直ろうとした時が、
皮肉にも松子の最後の時となってしまう、
どうにも救いようのない結末となってしまいました。

題名からは、悪女がテーマのようなイメージを思い浮かべてしまいましたが、むしろ、強いようでいて、繊細すぎる憐れな女性の物語でした。




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