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破裂
久坂部 羊
価格: ¥1,890 (税込)

単行本
出版社: 幻冬舎
発売日: 2004/11
ASIN: 4344006984
おすすめ度:3.5
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5テーマは常に高齢化社会
 「廃用身」から引き続く、高齢化問題を問い掛ける力作。だれもが頭のどこかで考えてはいるが、とりあえず見ないふりをしている問題に、こういう方法はどう?と提案してくるのだが、方法が怖すぎます、久坂部さん。だが、ずっと提案し続けていってほしい気もする。最後に、それは悪いヤツだけど、佐久間の扱い、あそこまですることはないのでは…。別の意味、働き過ぎへの警鐘でもあるのかもしれないが。
4ぽっくり逝きたいですか?
ぴんぴん生きてぽっくり逝く,人生の終盤の姿として望ましいと考える人は多いでしょう。
もし,それが医療によって仕組まれることが可能だったらという,医療SFミステリーです。
いろいろと癖がある医師達,ジャーナリスト,官僚,医療事故の遺族ががっぷりと組んで,見ごたえたっぷりの好一番。
お勧めの1冊です。

ただ,私は大失敗しました。
この小説を読む前に,作者が著した「大学病院のウラは墓場―医学部が患者を殺す」を読んでしまったのです。小説を読む前に著者の立ち位置が分かってしまっていると,どうしても小説を小説として純粋に楽しめなくなってしまいます。先の展開を読みたがってしまうというか。
この作者の著作は出版順に読んでいく方が考えさせられ,楽しめたなぁともったいなかったです。
4台詞と論証は素人
医療の進歩に社会のあり方という視点から疑問を投げかける展開は国民的課題である
エリートが多数登場する物語でありながら方向性丸見えの単刀直入な会話が多すぎる
方向性を見えなくしたり これで会話を打ち切りたいような発言に対し巧みに押したり引いたりして
自分の希望まで話と心を操っていく会話の達人は出てくるべきだと思う 自分を取り巻く人々を
自分の望む位置づけや作用に引っ張る話術は権力者にまつわる凄み 自在さ 規範性である
せっかく虚構が舞台なのだから魂にもっと踏み込むべきだったと思う 医師の独善と内部告発と懲罰的人事の悪循環 功名心と良心 ヒポクラテスの原則の現代的意義などの追究すべき主題も上滑りである 同じく医療者の物語チャングムにあるハン尚宮の慈愛 クミョンの孤独 シン・イクピルの深謀遠慮といった胸をうつ台詞が本作にはない
またアルコール代謝と麻酔の代謝は関係ないと書いてあったが 母の知人が酒びたりのころ
虫垂炎にかかり麻酔がきかなくて看護師たちにおさえつけられての手術になったという
三島由紀夫が安楽死を論じていたら仮面の告白から夭折願望を書いていて 批評を読んでも現実感覚はあるので画期的な死生観を書いたろう
4医師の本音がよくわかる
内部告発を発端とした医療ミス裁判。患者側に協力しながらも、医師の立場と患者の立場の間で揺れる麻酔科医江崎。告発されたエリート心臓外科医香村。

医療の力を利用して老人をぽっくり死なせ、国家の医療費を削減すべく、「天寿」なるプロジェクトを推進する厚労省キャリア佐久間。

両者を追い、スクープを狙うジャーナリスト松野。

それぞれの利害が交錯し、限界を超えた時、事件は起きた・・・!

それぞれの立場の登場人物に語らせる本音には現実味があります。特に医師と患者の間で揺れる江崎の心理描写がいいです。著者が医師なだけに真実味があります。

全体としては、医療裁判あり、厚労省の壮大なプロジェクト計画あり、と先はそうなるんだろう、と気になってどんどん読み進められるおもしろさがあります。
前作の「廃用身」より、重さがなくなり、ミステリーとしてのバランスが取れていると思います。

一読の価値は十分ある思います。
4気持ち悪さ
「廃用身」も読んだが、そちらのほうが数段面白かった。とは言うものの、ぐいぐい引き込まれるような筆力はすごいものがある。ただ残念なのは扱ったテーマが多すぎて的が絞りきれなかった感じがある。医療ミス裁判に関しては「白い巨塔」には遠く及ばない。


老人医療に関しては「ピンピンぽっくり」(ピンピン生きてぽっくり死ぬ)を謳い文句に心臓を破裂させるという想像だにしなかった内容。麻痺した手足を切断するAケア(「廃用身」)といい、本書の積極的安楽死PK2といい、ひたすらグロテスクで嗜虐的だ。確かに日本の老人医療は危機に瀕している。しかしいくら本人が望むからといって本来「生かす」べき立場にある医療従事者が、老人の生命をコントロールするというのが恐ろしい。しかし反面「迷惑をかけずにぽっくり死にたい」と思う老人がいるのも事実で、本来なら絶対に交わるはずのない二本の線を交差させたところにこの小説の気味悪さ、気持ち悪さがある。

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