今まで彼女の小説を読んできて、ここにきて違うテーマだなという感じがしました。
彼女が愛についてこのような書き方をするのは結構意外だったかも。
無意識のうちに自分より不幸な他人と自分を比較して安心している自分がいて
そのことを気づかずに生きていることがどれほど愚かなのかわかりました。
空の香りを愛するように
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心の弱さや他人から傷けられるかもしれないという恐怖・・。
それを、ミツルは"鳥の影"と表現した。
それを、ミツルは"鳥の影"と表現した。
綾度紅葉(あやど もみじ)は、お酒に睡眠薬を入れられ、集団レイプされる。
母子家庭で父親不在から援助交際をするようになり、11歳で集団いじめにあい、今は生活のため死んだ振りをして仕事に行く。
でもそんな紅葉が、初めてコウに恋をした。
それなのに・・・。
妊娠したかもしれなくて、HIVに感染したかもしれなくて、紅葉はコウと別れようとする。
そこに飛び降り自殺したはずのミツルが現れて・・・。
行動する前から、自分で作った恐怖にがんじがらめになっていたとき、この本を読んだ。
そうか、呪縛をとけばいいのだと気づき、急に息が楽になった。
恋が敗れることから逃れようとする自分の心の弱さや恐怖を「鳥の影」として封印し、恋することから逃げて生きていっていた主人公。それがさまざまな出来事と出会いを通して、乗り越えていく。逃げることは簡単だけど、逃げずに追いつづけることの大切さを感じた。



