短編集だがどの作品も少しずつ趣が違う。冒頭の「寄物」がやはり一番印象に残る作品だろうか。テーマは凄惨で猟奇的でありながら、全体に透き通った哀愁が漂う。村ぐるみで沖を通る船を襲い、略奪と殺人を繰り返す狂気の村に育った二人の子供が貫いた純愛の物語である。
またどの作品にも共通して、歴史考証がしっかりしているのが特徴。抑えた文体ながら八丈島の流人の描写などは息苦しいほどのリアリティがある。
読後感がいいとは言えないが、不思議と記憶に残る本だった。人情物・捕り物・風俗物が多い時代小説の中では異彩を放つ。表紙の絵も作品によく合っていて魅力的。一読の価値あり。
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寄物
石月 正広
価格: ¥1,575 (税込) 単行本 出版社: 幻冬舎 発売日: 2004/02 ASIN: 4344004728 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 874529位 発送可能時期: 通常3~4日以内に発送 ![]() |



