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非国民
森巣 博
価格: ¥1,890 (税込)

単行本
出版社: 幻冬舎
発売日: 2003/04
ISBN: 4344003306
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 413621位
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Happiness comes from knowing less
著者がコミカルに描くことで、浮かび上がらせた現実は、まことに深刻である。
国士舘?を思わせる「世田谷のKO義塾」出身の生活安全課刑事のピカレスクぶり・・・
バカラ賭博一晩で11億円溶かし、失踪した狛江市市長(推定借金30~50億円)の主戦場は、新宿だったのだが・・・
取り締まるべき半合法カジノ(歌舞伎町「シャーベット」)を取り締まらず、個人的スキャンダルで誤魔化す生活安全課・・・

欧米先進国の大学ではあり得ない「アカハラ」・・・
「添い寝も秘書の仕事のうち」「性行為が究極の師弟関係」と仰り、秘書を次々に強姦した矢野暢(やのとおる)元京大教授
逃亡先のヨーロッパで頓死したエロオヤジが、犯行当時、所長を勤めていた京都大学東南アジア研究所は、
被害者に対して現在に至るも公式な謝罪はしていないとのことである・・・

フロイト「生命(いのち)を持つことは、快楽を求めること」
動くものなら何でもちんぽこを突っ込もうとし・・・ He tried to screw anything that moved
毎日、高純度のスピード(シャブ)を3グラムも大腿部静脈血管に注射していた「ポン中」・・・アメリカ合州国第35代大統領 JFK
特攻隊員たちが出撃前に、シャブを大量に喰わされたのとは、訳が違う・・・
青春時代、JFKの演説に興奮した我が身が寂寥感に包まれた・・・

ワッケンハット社を筆頭に、急成長を遂げたアメリカ刑務所産業・・・
利潤追求のためには、囚人の確保が欠かせないという理屈である・・・
官庁&マスコミによる「厳罰主義」採用へ向けた大合唱の狙いが「刑務所の民営化」だったとは、恐れ入った!!

桜田門金言「知る者は語らず。語る者は知らず。」とは、至言である。
笑いの中で、笑えなくなり、沈思すること暫し・・・生きるのは、健康によくない(マーク・トウェーン)

痛快さと極悪さの混在
「越境者たち」の作家の新作、中毒患者の厚生施設の仲間がその運営資金のために大仕事に挑むというのが根幹なんだけれども、登場する人物の「ダメ警官」がなんともいえない糞野郎感を演じている(本なので不適当かも)。挫折感をあじわいつつ更正にむけてひたむきな住人、彼らが過ごし時間に「ダメ警官」は悪行を重ねていく、まさに非国民。ノワールではないのであまり求めすぎない方がいいかも。ただクライマックスは痛快そのもの。人生の博打をやり遂げた感は読後にも響く。
ギャンブルに詳しくないとなかなかとっつきにくいが、かけひきの文章が上手いので気にはならない。性表現はいまひとつかも。また子供にある程度の思い違いがあるかもしれない。そこまでひどくはないだろうと。

「人をみたら泥棒と思え」それはこの小説では糞文句である。

過剰な表現の良し悪し
森巣博のファンでなければ星は三つ。
森巣博得意のギャンブル&ナショナリズム含めた差別へのNO!&セックス、かな。

今回はいちいち書き込みを過剰にするあまりちょっと変な偏りがあるように感じられるのが悲しい。詳しく書くと内容に触れてしまうから難しいけど、警察を悪し様に書きすぎ。ストーリー上それが必要なのかもしれないけど、別の方法を取って欲しかった。

オビには『森巣博の最高傑作』などと謳ってあったけど、そんなことはない。森巣博を過小評価するなよ出版社!と言いたい。
「越境者たち」の素晴らしい傑作ぶりを知ってる者にとっては物足りない。
「非国民」から森巣博に入っちゃいけない。まあ、既にファンの人は読んでおいたほうがいいけど。




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