あの日にドライブ
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ボクの父親がタクシーの運転手なので、仕事のやり方などの苦労が分かって共感できるところが多かった。物語は銀行をリストラされた主人公が、昔付き合っていた彼女と結婚していたらとか、出版社に就職していればとか、「たら・れば」の過去を振り返りながら現在を生き方を見つめ直していくのだが、この主人公に限らずたいていの人が何か壁にぶつかる度に、「たら・れば」を思い出すのだと思う。過去にその選択をしていたらどうなっていたかなんて今になっては分かるはずもないのだが、自分を見つめなおすのも人生の1つなのだなと考えさせられた。
上司への失言が原因で都銀を辞め,タクシー運転手で糊口をしのぐ主人公。運転席という孤独な空間で考えることといえば,「人生の車線変更はできるんだろうか」という思い。
重松清「流星ワゴン」のような内容かと思ったけど,あくまでも現実の時間・現実の状況の範囲で,妄想の人生を無理なく(?)綴ります。これがまたリアルで,感情移入の余地がたっぷり。
妄想の中にある発見から,ひとつの結論めいたことが出てきて物語のテーマとしては完結するわけですが,そのあとにもうひとひねり入れて来るのが荻原流。サラリーマンの悲哀をスカッと蹴っ飛ばし,最後に主題をリフレイン。
次の曲がり角の先に,何があるか。
それが分からないから,人生は面白い・・・のかもしれないね。
重松清「流星ワゴン」のような内容かと思ったけど,あくまでも現実の時間・現実の状況の範囲で,妄想の人生を無理なく(?)綴ります。これがまたリアルで,感情移入の余地がたっぷり。
妄想の中にある発見から,ひとつの結論めいたことが出てきて物語のテーマとしては完結するわけですが,そのあとにもうひとひねり入れて来るのが荻原流。サラリーマンの悲哀をスカッと蹴っ飛ばし,最後に主題をリフレイン。
次の曲がり角の先に,何があるか。
それが分からないから,人生は面白い・・・のかもしれないね。
荻原作品は初めて読みました。最初にもかかわらず、「おそらくこの人の
作品には外れはないだろうな」と感じさせてくれる作品でした。はっきり
言って文体も変な癖がなく読みやすく、ストーリーも重過ぎず、かつ面白
いと感じました。
ただ一つ残念だったのは、主人公が公認会計士を目指すシーン。当時の
公認会計士試験は大卒なら2次試験から始まります。だから1次試験での
討ち死には実際にはありえません。こんなディテールでのミスが物語を
ウソっぽくしています。
でも、荻原作品には奥田英朗作品のような読みやすさがありますので多分、
これからファンになるでしょう。
作品には外れはないだろうな」と感じさせてくれる作品でした。はっきり
言って文体も変な癖がなく読みやすく、ストーリーも重過ぎず、かつ面白
いと感じました。
ただ一つ残念だったのは、主人公が公認会計士を目指すシーン。当時の
公認会計士試験は大卒なら2次試験から始まります。だから1次試験での
討ち死には実際にはありえません。こんなディテールでのミスが物語を
ウソっぽくしています。
でも、荻原作品には奥田英朗作品のような読みやすさがありますので多分、
これからファンになるでしょう。
荻原浩は、今ではすっかり私のお気に入り作家になってしまったので、これまでは、「今一つ」と思った作品でも、否定的なレビューを書くことを控えてきたのだが、この作品には、どうしても一言いわずにはおれない気持ちを抑え切れなかった。
最初に断っておきたいのだが、決して、この作品が面白くないというわけではない。いや、むしろ、スラスラと読み進められ、飽きがこないという点では、筆者が何作も書いているミステリよりは上だと思う。しかし、この作品は、筆者に類い稀な筆力があるがゆえに、読者を飽きさせずに読ませてはいるものの、ストーリー自体は、元一流銀行員のタクシー運転手の日常と、取りとめのない夢想を淡々と描いているだけであり、ストーリーには山も谷もないのだ。文庫本ならともかく、このストーリーで1,575円というのは、買う方としては、ちょっと辛い。
特に残念だったのが、終盤に挿入されている、主人公が「あの日」にこだわったあるエピソードだ。まさか、題名の「あの日にドライブ」が、この「あの日」であるはずはないのだが、それにしても、ここでの主人公の極めて次元の低い言動を読んでいると、読者がそれまで主人公に抱いていた共感を壊しかねないし、それ以上に、筆者がこの作品で、主人公を通して、一体、読者にどんなメッセージを伝えたかったのかもさっぱり見えてこなくなり、この作品の価値さえ、減じかねないと思うのだ。私には、筆者のラストの綺麗なまとめの言葉が、どこか空々しく響き、すっきりとしない後味の悪さだけが残ってしまった。「荻原浩が、珍しく、ラストのまとめ方を誤った」、そんな感が否めない。
最初に断っておきたいのだが、決して、この作品が面白くないというわけではない。いや、むしろ、スラスラと読み進められ、飽きがこないという点では、筆者が何作も書いているミステリよりは上だと思う。しかし、この作品は、筆者に類い稀な筆力があるがゆえに、読者を飽きさせずに読ませてはいるものの、ストーリー自体は、元一流銀行員のタクシー運転手の日常と、取りとめのない夢想を淡々と描いているだけであり、ストーリーには山も谷もないのだ。文庫本ならともかく、このストーリーで1,575円というのは、買う方としては、ちょっと辛い。
特に残念だったのが、終盤に挿入されている、主人公が「あの日」にこだわったあるエピソードだ。まさか、題名の「あの日にドライブ」が、この「あの日」であるはずはないのだが、それにしても、ここでの主人公の極めて次元の低い言動を読んでいると、読者がそれまで主人公に抱いていた共感を壊しかねないし、それ以上に、筆者がこの作品で、主人公を通して、一体、読者にどんなメッセージを伝えたかったのかもさっぱり見えてこなくなり、この作品の価値さえ、減じかねないと思うのだ。私には、筆者のラストの綺麗なまとめの言葉が、どこか空々しく響き、すっきりとしない後味の悪さだけが残ってしまった。「荻原浩が、珍しく、ラストのまとめ方を誤った」、そんな感が否めない。
優しい文体、ユーモアのあるほのぼのとした語り口、好きです!荻原浩小説が。
そこにはいつも愛がある。そこはかない愛があるのです。
今回もまたまた挫折した中年おやじの人生の再生の物語。
様々な乗客、同僚の運転手たちを通して、自分自身の人生を、家族との絆を再生していく。
つなぎと思っていやいややっているタクシー運転手も、やってみれば、稼ぐためには頭脳がいうることが判る。
昔の彼女の実家をストーカーめいたことしてうろつくんだけれど、彼女の心の怖い部分を具間みることで、自分の選んだ人生もまた決して間違っていなかったことに少し安心するのだ。
この本を読んでいて、よく私も”あのときああしていれば”とか”あのときあっちの道を選んでいれば”どんな違った人生だったのか想像してみるときが多々ある。伸郎とまるっきり同じことを夢想することが。。とても他人とは思えない。。
でもいつも最後に行きつくことは、どんな人生だったにしろ、自分の子供に会えない人生は自分の人生ではないと思う。だからこれでよかったのだといつも思えるのだ。
あの日にドライブしても、必ず今日に戻ってくる。 今の自分の人生を大切にしたい。。と改めて思える作品だった。
そこにはいつも愛がある。そこはかない愛があるのです。
今回もまたまた挫折した中年おやじの人生の再生の物語。
様々な乗客、同僚の運転手たちを通して、自分自身の人生を、家族との絆を再生していく。
つなぎと思っていやいややっているタクシー運転手も、やってみれば、稼ぐためには頭脳がいうることが判る。
昔の彼女の実家をストーカーめいたことしてうろつくんだけれど、彼女の心の怖い部分を具間みることで、自分の選んだ人生もまた決して間違っていなかったことに少し安心するのだ。
この本を読んでいて、よく私も”あのときああしていれば”とか”あのときあっちの道を選んでいれば”どんな違った人生だったのか想像してみるときが多々ある。伸郎とまるっきり同じことを夢想することが。。とても他人とは思えない。。
でもいつも最後に行きつくことは、どんな人生だったにしろ、自分の子供に会えない人生は自分の人生ではないと思う。だからこれでよかったのだといつも思えるのだ。
あの日にドライブしても、必ず今日に戻ってくる。 今の自分の人生を大切にしたい。。と改めて思える作品だった。



