カラマーゾフの兄弟を読み、古典(ロシア文学)も面白いと思い
ロシア文豪の一人であるトゥルゲーネフの本書を読んでみました。
16歳の少年が年上の女性に初恋をした時から、最後の幕切れまで
著書の自伝的要素を織り込んで描かれています。
少年の心のときめき、不安、虚無感等がみずみずしく描かれており
個人的にはBeethovenのクラシックのように、主人公の歓喜、純粋さ
誠実さ、一途さ、抱えている不安といったものが(読み手の)心に
すっと入ってきました。
自分が忘れ(かけ)た若い頃の感覚をふと思い出してみたい方は
主人公といっしょに、19世紀のロシアにタイムスリップするのも
悪くないと思います。
初恋 (光文社古典新訳文庫)
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25年ぶりに本作品を読みました。以前は角川文庫で読みました。夜中寝室で、古典を読むんだという意気込みで、難解な文章を読み解くように読みました。十分理解できたようで、理解できなかったようで、でもジナイーダの美しさが心に残りました。
今回は、40前後の男が自分の初恋を思い出すという部分にやけにしみじみとしたものを感じてしまいました。
わかりやすく、丁寧で、上品な翻訳のおかげで最初の1ページを開いた瞬間から、ふと気がつくと最後のページまで一気に読めていました。
ツルゲーネフを読んだというより、よしもとばななを読んだような不思議なtextureを楽しんでいました。
これが、新訳の力なのでしょうか。
とにかく、古めかしさをどこかに感じることもなく、古典を読めるということに素直に感謝します。
この文庫シリーズのおかげで、古典がとても身近なものになりました。
有難うございます。
今回は、40前後の男が自分の初恋を思い出すという部分にやけにしみじみとしたものを感じてしまいました。
わかりやすく、丁寧で、上品な翻訳のおかげで最初の1ページを開いた瞬間から、ふと気がつくと最後のページまで一気に読めていました。
ツルゲーネフを読んだというより、よしもとばななを読んだような不思議なtextureを楽しんでいました。
これが、新訳の力なのでしょうか。
とにかく、古めかしさをどこかに感じることもなく、古典を読めるということに素直に感謝します。
この文庫シリーズのおかげで、古典がとても身近なものになりました。
有難うございます。
ロシア文学はちょっと難しそうで苦手だったのですが、
ぱらぱらめくってみると、上品かつひきこまれる語り口。
よかったです。
親しい三人の男たちが、自分の初恋について話をする。
うまく話せないので、ノートに書いてくるといった一人の男の、
初恋の話がこのお話の主な部分を構成しています。
彼が16歳のとき。奔放な年上の美少女。
やがて現れる、彼女の心を奪う男。
少年の、彼自身の心をあからさまに、誠実に書かれています。
しかし、それ以上に、少女と、男の気持ちが心に残ります。
特に、奔放だった少女の、恋による変化の描き方は
凛として、悲しく、美しいです。
ぱらぱらめくってみると、上品かつひきこまれる語り口。
よかったです。
親しい三人の男たちが、自分の初恋について話をする。
うまく話せないので、ノートに書いてくるといった一人の男の、
初恋の話がこのお話の主な部分を構成しています。
彼が16歳のとき。奔放な年上の美少女。
やがて現れる、彼女の心を奪う男。
少年の、彼自身の心をあからさまに、誠実に書かれています。
しかし、それ以上に、少女と、男の気持ちが心に残ります。
特に、奔放だった少女の、恋による変化の描き方は
凛として、悲しく、美しいです。
主人公ウラジーミル・ペトローヴィチは、ジナイーダの逢引相手を殺すよう「唆さ」れ、
ナイフを手にします(121ページ)。
ナイフを「男性器」と見なすとすれば、ウラジーミルは大人の「男性」になろうとしていたことが分かります。
しかし、ジナイーダの逢引相手が自分の「父」であると知ると、
ナイフを手から落とし、逃げ出します。
このように、若人ウラジーミルが大人の世界の現実の前に衝突し、そして悩みながら
内面的に成長していきます。
彼の成長は沼野女史の新訳によってみずみずしさを帯びていると思います。
さて、トゥルゲーネフは『初恋』で農奴制などロシアが抱える問題を随所に盛り込ませている、
と沼野女史は指摘しています。
一方で、「唆す」や「父親」などロシア文学においてよく見られ、
かつとても重要な問題がある、と私は加えておきます。
ナイフを手にします(121ページ)。
ナイフを「男性器」と見なすとすれば、ウラジーミルは大人の「男性」になろうとしていたことが分かります。
しかし、ジナイーダの逢引相手が自分の「父」であると知ると、
ナイフを手から落とし、逃げ出します。
このように、若人ウラジーミルが大人の世界の現実の前に衝突し、そして悩みながら
内面的に成長していきます。
彼の成長は沼野女史の新訳によってみずみずしさを帯びていると思います。
さて、トゥルゲーネフは『初恋』で農奴制などロシアが抱える問題を随所に盛り込ませている、
と沼野女史は指摘しています。
一方で、「唆す」や「父親」などロシア文学においてよく見られ、
かつとても重要な問題がある、と私は加えておきます。
新訳をつけるのはツライ仕事かもしれません。それはある意味で過去の完成品に反抗する行為に往々にしてなりうるからです。しかし、オリジナルは古びず、日本語だけが古びる。こういった事情が、こうした若い翻訳家による新訳を必要とするのだと思います。いろいろな人のツルゲーネフの翻訳を読みましたが、それぞれに個性のある味のあるいい翻訳がありました。米川訳、神西訳、そしてバーリン訳、ガーネット訳などいろいろです。この新しい沼野訳も訳者の個性のあらわれた繊細で少し感傷的ともいえるやさしい気品のある翻訳に仕上がっています。
ちいさなツルゲーネフの短編。そこに刻み込まれた愛と憎しみ。青春と挫折。老いと諦観。女の愛の真実とは?静かな筆致で熱い情熱を見事に描ききった十九世紀ロシア作家の珠玉の一品です。
ちいさなツルゲーネフの短編。そこに刻み込まれた愛と憎しみ。青春と挫折。老いと諦観。女の愛の真実とは?静かな筆致で熱い情熱を見事に描ききった十九世紀ロシア作家の珠玉の一品です。



