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犯人は秘かに笑う ユーモアミステリー傑作選 名作で読む推理小説史
ミステリー文学資料館(編集)
価格: ¥800 (税込)

文庫
出版社: 光文社
発売日: 2007/01/11
ASIN: 4334741835
おすすめ度:4.5
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5「私のこと、好き?神かけて?」
米澤穂信氏の短篇「Do you love me ?」が収録されています。

幽霊と会話のできる渡良瀬みこと(♀)のもとに、殺されて幽霊となった人物がその死の謎を解明してもらいに訪れる“安楽椅子探偵”もの。

一見あけすけに見えて、実はデリカシーがあり、頭脳明晰にして博覧強記といった渡良瀬。
〈古典部〉シリーズの折木供恵に主役をやらしたら、こんな感じなんだろうなあ、というキャラになっています。
三人称視点で語られ、彼女の内面と若干距離をとっているのも“心霊探偵”的ヒロインを演出する上で必要なことなのでしょう。

〈幽霊との対話〉という設定が導入されていることから、オカルトや神話、呪術といったことが主要なモチーフとなっています。
なんにせよ、著者の新機軸といえ、シリーズ化することを期待します。
4人間的な暖かさのあるミステリー
「名作で読む推理小説史」と銘打たれている如く、日本におけるミステリーの流れに沿って「笑い」を探り当ててゆく試みのアンソロジーです。
従って、山前譲の「解題」も19ページに及び丁寧に時代を追った解説がなされています。ミステリー・ファンにとっては、この解説も貴重です。

作品は、1927年の徳川夢声の「オベタイ・ブルブル事件」に始まり、乾信一郎、水谷準、香住春吾、多岐川恭、天藤真、結城昌治、樹下太郎、小泉喜美子、赤川次郎、阿刀田高、清水義範、若竹七海、米澤穂信の12氏の作品が選ばれています。

もともとユーモアとミステリーは、相容れないものと考えがちですが、これが意外に良い感触の作品になっています。「本格」の好きな人には亜流と揶揄されそうですが、ユーモアと合体した作品は、暖かさというか、人間らしさのようなものが感じられ、心を和ませてくれます。「本格」のようなピリッとした雰囲気ではなく、肩肘張らずに読めるのが良いと思います。

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