ひとつ前に戻る

水の迷宮 (カッパノベルス)
石持 浅海
価格: ¥890 (税込)

新書
出版社: 光文社
発売日: 2004/10/20
ISBN: 433407586X
おすすめ度:3.0
Amazon ランキング: 493210位
発送可能時期: 在庫あり。

amazonの詳細ページへ
ある意味、究極の功利主義的結末
水族館を舞台にした、著者お得意の特殊クローズド・サークルもの。

解明のポイントは、被害者が生前に思わずしてしまった失言
と、犯行現場にあった水槽から消えた、あるモノの行方です。

特に後者は、水族館ならではのユニークな
湮滅方法が用いられており、感心しました。


ところで、おそらく否定的な意見のほうが多いと思われる、本作の
「感動の結末」についてですが、私は、ある意味、究極の功利主義
の発現だと捉えました。

一つの大義のため、皆が私情を捨て、一心に目的に邁進するというのは、
たしかに理想的ではありますが、裏を返せば、個人の感情をノイズとして
無価値と見なし、集団の損得勘定で行動することだとも言えると思います。

人間、そんなに簡単に割り切れないだろ、とつい言いたくなりますねw


まあ、著者にしてみれば、ミステリとしての完成度が、第一義的な問題
で、「感動」の演出などは、アクセサリーに過ぎないのかもしれませんが。

もしくは、あえて違和感が残る結末を読者に突きつけること
で、嫌がらせをするのが著者の目的……かもしれませんw




これはひどい
タイトルに惹かれて買ってみました。
途中まではとても面白くてよかったのですが…
皆さん書かれているとおり、最後がありえない。
なんでこんな終わり方にしちゃったんだろう。
他にいくらでもあっただろうに、何を考えてこんな結末にしてしまったのか。
途中までが良いだけに、すごく勿体ない。
こんなに納得のいかない、後味の悪い小説は初めてです。
ミステリーの舞台は水族館
 謎解きの円環がきれいに閉じています。少しずつ真実が解きほぐされていくので、大どんでん返しのような劇性はありませんが、論理的な清潔さでミステリーを楽しむ人には何の不足も感じないでしょう。
 ただ、なぞが解けたあとのラストが、ちょっとキレイ過ぎる。…そう見る向きもきっとあるでしょう。だって人が殺されてるのに…というわけです。
 舞台は水族館。背景に広がるのは透明な水で満たされた巨大な水槽と世界中から集められた魚たち。銀の鱗をきらめかせたり、グロテスクな口をパクつかせたり、身近なものから珍しいものまで、多種多様な海洋生物がいつも周りを囲んでいます。そして殺人事件など思いもよらず、水槽に見入る親子連れや恋人たち。…この幻想的、非日常的な空間のイメージが、謎解きの論理性と絶妙な対照をなしています。突然の脅迫メールによって館員たちは館内を右往左往しますが、その時も常に彼らの周りには水槽の水がゆらめき、魚たちは事件など関係なく、いつもと同じように水の中を泳いでいるのです。
 ミステリーとして上質なものを作り上げる一方、描かれてきたこのような舞台のイメージ(登場人物も総じていい人ぞろい)は最後まで壊さない、と作者は考えたのではないでしょうか。だから作者は、この物語の結びを描くに当たって、あえて予定調和を破らない、むしろ夢の水族館の実現へと舵を取った気がします。
 謎解きをするのが刑事でも探偵でもなく、聡明すぎる一般人なのは、この作者のいつものやり方。その一人飛び抜けた聡明さに不自然があるとしても、警察的科学捜査のないところに謎解きの面白さを見出すのが、この作者のこだわりなのではないでしょうか。
 最後に、この小説、映画にしたらいいのでは、とも思った次第。
善人たちの物語
作者お得意の、“変な設定で警察が呼べない”事件。
設定に必然性があり、誰も事件にしたくないと思っているのだけど不幸な偶然で殺人が起きる・・・という良く作られたミステリーです。
でも、「殺人」を最後の大団円で帳消しにしていいの?と思うと、素直に「感動」していいものか・・・。
謎解きだけを楽しめる人にはおすすめです。
これもありだけれども
犯人が正当化されることについては疑問が残りますが、これもありと思うしかないのだろう。でも本当はこういうことが許されてはいけない。法治国家が放置国家になってしまいそうだ。



本のみちしるべ Powered by Amazon Web Service
PR: 本をまとめて検索