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月の扉 (カッパ・ノベルス)
石持 浅海
価格: ¥860 (税込)

新書
出版社: 光文社
発売日: 2003/08/21
ISBN: 4334075339
おすすめ度:3
Amazon ランキング: 596530位
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2過大評価?
発表された年の本ミス3位、このミス8位ということで、期待して読み始めましたが、いまいちでした。登場人物が完全に紙の上の存在(小説なのだから紙の上の存在なわけですが、それを感じさせないのが良い小説ではないでしょうか)という気がして感情移入できない。「師匠」とやらの描写も絶対的に少ないので、その力に納得できない。状況設定はとても魅力的だったんですが、残念です。
4人工的な空間でこそ成立する「論理」の美しさ
  〜ハイジャックされた旅客機のトイレで起きた密室殺人〜


本作には、さまざまな意匠が施されていますが、
あくまで、このハウダニットが核です。


本格ミステリの稚気を解さない「大人の」読者は、ハイジャック犯が
緊迫した状況下にあるにも関わらず、探偵役に抜擢した乗客とまったり
密室殺人の議論をすることに違和感を覚えたり、いかにもとって付けたような
カリスマ教育者の類型的な人物像にリアリティを感じないのかもしれません。


しかし、それらは本質的な問題ではないのです。

(カリスマ教育者の造形の浅さは、批評性を付与する
 ため、半ば確信犯であった可能性もあります。)


ある種のカルト的価値観を持つハイジャック犯とその関係者が、
旅客機という閉鎖空間に集まったことで招来された状況や事件を
あくまで論理的に推理し、細部まで議論しているところに、
本作の美点があるといえます。

そして、犯人が特異な価値観の持ち主だということを理解すれば、
ラストに至る流れも、ある程度、予想の及ぶ範囲のものであり、
密室殺人以外のホワイダニットは興味の中心とは言い難いのです。


ともあれ、処女作と同様、本作においても野心的に(クローズド・サークル)
の新機軸を打ち出してくる著者の姿勢には、頭が下がります。

これからも、美しいロジックを展開して欲しいです。
  
3同じマリンスポーツでも、ダイバーはサーファーと比べて、見た目が地味だ。
 3人の男女が離陸前の飛行機のハイジャックを企てる。
 乳児を人質にし乗務員を介して、「警察署に留置されている人物を空港に連れてくる事」を要求した。
 ところがそのさなか、乗客の女性が飛行機のトイレの中で死体で見つかる。
 犯行グループの一人が、乗客の一人に「他殺か自殺か不明の死体」を調査するように命じる。

 ハイジャック事件と、謎の死体。
 二つの事件を平行して展開していきます。

 場面がほとんど飛行機の中ですが、展開が速いため中だるみせずに読み進めることが出来ます。
 沖縄でダイビングを楽しんだ観光客の一人が、偶然死体の調査を命ぜられ論理的な推論を展開ハイジャック犯たちと会話する場面が面白いです。
4SF(?)本格ミステリー
あらすじだけ読むと『アイルランドの薔薇』のような
閉鎖状況での閉鎖社会(秘密結社)ものかと思ってしまいますが、
雰囲気はだいぶちがいます。

ハイジャック犯がたまたま殺人を発見した男を探偵役に指名した、
というところが自分から首を突っ込む探偵ではなく、珍しい設定です。
法月綸太郎のような全編推理のトライ&エラーという感じは
個人的にはそれほど好きではないのですが、
本作の場合は特殊な状況下での動機と絡んで面白く読めました。

もうひとつのテーマがタイトルにもなっている“月の扉”。
これが本作の小説としてのキモで、SFかどうかの境界線。
境界線というのは中途半端という意味ではなく、
リドルストーリー的な結末になっているから。
そのあたりも小説として巧い部分で、
どちらかというとこちらのほうが面白く、
殺人と推理はおまけで、
純粋にハイジャック犯のワイダニットとして読んでも充分面白いと思います。

4俺はこういう話大好きです。
普通に話にひき込まれて一気に読みました。最後が駄目って人とか多いでしょうが、自分はこういう終わり方最高です。なんか夢があるというか・・・。 三人組が飛行機をハイジャックして、トイレに何故か死体を発見し、事件を推理していく。最後の最後にとんでもない展開が起こって、読んでいて本当に面白かったと思いました。次の作品の「水の迷宮」も読んで、それも面白く!石持さんのファンになりました!たぶんこの人の本、好きな人は本当好きでしょう。



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