スタージョン入門篇。
入り口の広い作品がメインで収録されているので、SFファンのみならず、ファンタジー・幻想小説を好みとしている方にもオススメです。
どこか孤独で、やさしく、そして夢見るようなスタージョンの世界に浸りましょう。
枕元に置いておいて、就寝前にふと読み直そうと思った時、いつでも読み直せるようにしておきたい一冊です。
不思議のひと触れ (シリーズ 奇想コレクション)
シオドア・スタージョン/大森 望
価格: ¥1,995 (税込) 単行本 出版社: 河出書房新社 発売日: 2003/12/22 ISBN: 4309621821 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 141905位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |
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1930年代末からアメリカで活躍したSF作家シオドア・スタージョン(1918-1985)の短編集。本書収録のショートショート「高額保険」で、1938年にデビューしたスタージョンは、『人間以上』『夢見る宝石』などで、一部のSFファンの間でカルト的な人気を博した作家である。しかしながら、生前は、あまり評価に恵まれず、我が国における翻訳点数も多くはなかった。SFというジャンルを超えた大胆な発想と、独特の世界観が再評価されるのは、没後となってからのことである。
なかでも、220編余りに及ぶという短編小説の数々は、「アメリカ文学史上最高の短編作家」と激賞されるほど評価が高い。本書収録の10編は、その中から厳選し、新たに訳出されたものである。ある女性の私生活を覗き見した男の奇妙な体験を描いた怪奇小説「もうひとりのシーリア」。子どもの心に潜む残酷さを捉えた「影よ、影よ、影の国」。言葉を話す石像と主人公とのやりとりがユーモラスな「裏庭の神様」。その味わいは、じつにバラエティー豊かで、改めてその力量に驚かされるものばかりだ。
とりわけ、スタージョンの魅力を伝えるのは、表題作と「孤独の円盤」の2作である。人魚とUFOというSF的な要素は、ここでは、人間そのものを捉えるための道具だてにすぎない。その上でスタージョンは、人魚を介して恋に落ちる男女の心暖まる情景を、UFOという不可思議を目撃してしまった者の疎外感を、巧みな筆致でありありと浮き上がらせるのである。その見事なまでの手腕は、読み手の持つ既存のSFのイメージをたやすく覆すに違いない。本書との「ひと触れ」は、SFの果てしない可能性との出あいを約束しているのである。(中島正敏)
スタージョンは特異な発想の小説を書きます。
例えば、本書では「孤独の円盤」や「不思議のひと触れ」。
そのことは素直に凄いと思います。
彼のような特異な発想ができること自体、実はスタージョンが、自身が描くところの「異種」的な人間だったからではないだろうか、と思ってしまいます。
けれど、僕はそれだけでなく、スタージョンの作品のいくつかに「決して癒されることのない孤独」または「透明なまでに純粋な理想あるいは愛?への憧れ」を感じます。
ヒトがヒトであるが故に癒されぬ孤独。けれど、それが癒されることを求めてしまうもどかしさ。
本書にはそんなある種の孤独を感じさせる作品のひとつ、「雷と薔薇」が収録されています。
ぜひ読んでみてください。
例えば、本書では「孤独の円盤」や「不思議のひと触れ」。
そのことは素直に凄いと思います。
彼のような特異な発想ができること自体、実はスタージョンが、自身が描くところの「異種」的な人間だったからではないだろうか、と思ってしまいます。
けれど、僕はそれだけでなく、スタージョンの作品のいくつかに「決して癒されることのない孤独」または「透明なまでに純粋な理想あるいは愛?への憧れ」を感じます。
ヒトがヒトであるが故に癒されぬ孤独。けれど、それが癒されることを求めてしまうもどかしさ。
本書にはそんなある種の孤独を感じさせる作品のひとつ、「雷と薔薇」が収録されています。
ぜひ読んでみてください。
とにかく初出にびっくり。1938年からの作品群である。「雷と薔薇」の知見が1947年に披露されていたとは、敬服するばかりだ。ネビル・シュートの「渚にて」は本作の10年も後とは…。
「閉所愛好症」の逆転劇も小気味いい。「不思議のひと触れ」にしろ、「ぶわん、ばっ」にしろ、健気な弱者が最後に報われるところは、読後にさわやかな印象を残す。「裏庭の神様」も、よくできたファンタジー。登場人物の等身大のアメリカ小市民が、いきいきと描かれている。
でも解説を読んで、5回も結婚・再婚し、7人も子どもがいたってのにもビックリした。
「閉所愛好症」の逆転劇も小気味いい。「不思議のひと触れ」にしろ、「ぶわん、ばっ」にしろ、健気な弱者が最後に報われるところは、読後にさわやかな印象を残す。「裏庭の神様」も、よくできたファンタジー。登場人物の等身大のアメリカ小市民が、いきいきと描かれている。
でも解説を読んで、5回も結婚・再婚し、7人も子どもがいたってのにもビックリした。
なぜかジャンル小説にこだわり続けたアメリカ史上最高の短編作家の作品集。SFと言っても、科学的思考にこだわったハードSFではないので、とっつきやすいかもしれない。不思議のひと触れの鮮やかな逆転や、裏庭の神様などのユーモラスな書き方まで、筆者の並々ならぬ才能を見ることができる一冊。
ハヤカワ「奇妙な触合い」とは二編が重複。
スタージョンは、アメリカでは、PKディックと並べて語られる重要作家として評価されている。
より進化したSFをあたりまえのように読んでいたから、その目では、SFとして発想や表現が素朴と感じる部分があった。「『雷と薔薇』は『渚にて』よりも前に、核の冬を書いた」と解説で読んで初めて、すごさを察した。SFとしてはともかく、ふつうに小説として、短編として、味わいがあった。
「どんな孤独にも終わりがある」という、まきこまれ型ストーリーの優しさに浸った。『もうひとりのシーリア』が忘れられないオチだった。
スタージョンは、アメリカでは、PKディックと並べて語られる重要作家として評価されている。
より進化したSFをあたりまえのように読んでいたから、その目では、SFとして発想や表現が素朴と感じる部分があった。「『雷と薔薇』は『渚にて』よりも前に、核の冬を書いた」と解説で読んで初めて、すごさを察した。SFとしてはともかく、ふつうに小説として、短編として、味わいがあった。
「どんな孤独にも終わりがある」という、まきこまれ型ストーリーの優しさに浸った。『もうひとりのシーリア』が忘れられないオチだった。



