文章は古代中国に興味がないと、読みづらいでしょう。下段に書いてある注が参考になります。とは言え、無視して読んでも何ら問題はないと思います。再読、三読すれば自然に読めますし、それだけ読む価値のある本です。
人間は意味の生き物です。あらゆることに「なぜ?」を思い描いてしまう。本書は、そうした思いをそのまま古代の、もしくは架空の人間に投影することで、現代の我々が古代の人々と時を共有することができるようにしています。もしくはその錯覚を感じとることができるのでしょう。なんにしても歴史にしか出てこない人々の息吹を感じることができます。
個人的には「山月記」が好きです。私も自分の才能にうぬぼれた時期がありました。しかし、「山月記」を読むと、我が身を振り返ってみたときに、その愚かさを気付かされると同時に、虎になってしまう(これは一種の比喩なのでしょう)哀しさを感じました。スピード感のある文章でありながら、どこかしっとりとした共感を呼ぶ、そんな一冊です。
中国小説集 (ランダムハウス講談社文庫)
中島敦
価格: ¥945 (税込) 文庫 出版社: ランダムハウス講談社 発売日: 2007/06/02 ISBN: 4270101032 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 95972位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |



