上巻で、中国からの難民を多数引き連れて来た蛇頭のボス・ゴーストがアメリカ大陸に無事潜入。うまく逃げ延びた難民を殺すべく異常なまでの執念を燃やすゴーストたちと、四肢麻痺患者ながらも頭脳戦で彼を追いつめるリンカーン・ライムと、サックスの戦いは激しさを増したまま下巻にもつれ込んできました。
この下巻でも、ディーヴァーらしい二転三転のプロットを繰り返しながら戦いは続きます。が、今作の一番の収穫は、敵のゴーストでもなければ、サックスの活躍でもなく、ソニー・リーという主役を喰ってしまった中国の公安刑事の存在でしょう。彼は、難民のふりをしてゴーストを追いつめるべく船に潜入していたのですが、そのままアメリカに辿り着きライムたちと行動をともにします。そして、その過程で中国人ならではの着眼点、考え方、捜査手法で、ライムにまけず劣らずの優秀さを見せます。そして、あるがままに人生を受け入れる姿勢で、ここまでとても頑で恋人のサックスですら変えられなかったライムの心の中の何かを変えてくれます
ある意味、今迄のシリーズの中で一番重要なサブキャラとなっています。
また、そのリーに応える形で常にはない行動をとるライムが、シリーズをずっと読み続けてきたものにとっては嬉しかったです。よくよく振り返れば、敵は切れ者そうでいてちょっと抜けていたり、アクションや騙し合いも上巻のほうが勢いはあった今作ですが、リーとライムのやりとりの部分だけでかなり満足度が高かったです。
タイトルの「石の猿」はもちろん孫悟空のことですが、それを示してのリーの言葉がよかったです。
石の猿〈下〉 (文春文庫)
ジェフリー ディーヴァー/Jeffery Deaver/池田 真紀子
価格: ¥770 (税込) 文庫 出版社: 文藝春秋 発売日: 2007/11 ISBN: 4167705583 おすすめ度: ![]() Amazon ランキング: 45154位 発送可能時期: 通常24時間以内に発送 ![]() |
<リンカーン・ライム>シリーズ第4弾。
’03年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位、「このミステリーがすごい!」海外編第20位。
今回の敵は、インターポールから指名手配されている、蛇頭の殺し屋‘ゴースト’。
中国からの不法移民を乗せた貨物船がロングアイランド沖で爆破され沈没する。‘ゴースト’の仕業だった。‘ゴースト’の次の狙いは、危機一髪で船から脱出した二組の家族の命だった。
冷酷無比な殺し屋‘ゴースト’は、チャイナタウンのつてをたどり、手下を使って彼らに迫る。一方、ライムも、例によって、このシリーズの特長である得意の証拠物件の科学捜査の結果、一覧表が埋ってゆくにしたがって、着実に彼らの足取りを追う。さらに‘ゴースト’を捕らえるべくそのアジトの特定も同時に進めてゆく。ライムが先か、‘ゴースト’が先か。ふたりの手に汗握る対決は、本書の最大の読みどころであり、まさに圧巻のひとことにつきる。
今回は『エンプティー・チェア』事件から、舞台は再びニューヨークに戻り、おなじみの<ライム>チームが活躍する。彼らの捜査活動に、密航者にまぎれて潜入捜査官としてやって来た異色の中国公安局刑事が加わり、ライムと親交を深めながら“いい味”を出しているのも興味深い。
また鑑識技術の腕をあげたアメリアが、水深30メートルに潜り、沈没船の捜索を行い、数々の証拠と共に生存者を発見するくだりは、本書のハイライトのひとつといっていいだろう。
‘ゴースト’の正体、そしてラストでの大逆転と、ディーヴァーならではの“どんでん返し”も健在であるが、何よりも本書は、物語の随所にオリエンタルな趣向(歴史・思想・風水・習慣・格言・行動規範など・・・)が盛り込まれ、<ライム>シリーズのなかでも異彩を放っている。
’03年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第5位、「このミステリーがすごい!」海外編第20位。
今回の敵は、インターポールから指名手配されている、蛇頭の殺し屋‘ゴースト’。
中国からの不法移民を乗せた貨物船がロングアイランド沖で爆破され沈没する。‘ゴースト’の仕業だった。‘ゴースト’の次の狙いは、危機一髪で船から脱出した二組の家族の命だった。
冷酷無比な殺し屋‘ゴースト’は、チャイナタウンのつてをたどり、手下を使って彼らに迫る。一方、ライムも、例によって、このシリーズの特長である得意の証拠物件の科学捜査の結果、一覧表が埋ってゆくにしたがって、着実に彼らの足取りを追う。さらに‘ゴースト’を捕らえるべくそのアジトの特定も同時に進めてゆく。ライムが先か、‘ゴースト’が先か。ふたりの手に汗握る対決は、本書の最大の読みどころであり、まさに圧巻のひとことにつきる。
今回は『エンプティー・チェア』事件から、舞台は再びニューヨークに戻り、おなじみの<ライム>チームが活躍する。彼らの捜査活動に、密航者にまぎれて潜入捜査官としてやって来た異色の中国公安局刑事が加わり、ライムと親交を深めながら“いい味”を出しているのも興味深い。
また鑑識技術の腕をあげたアメリアが、水深30メートルに潜り、沈没船の捜索を行い、数々の証拠と共に生存者を発見するくだりは、本書のハイライトのひとつといっていいだろう。
‘ゴースト’の正体、そしてラストでの大逆転と、ディーヴァーならではの“どんでん返し”も健在であるが、何よりも本書は、物語の随所にオリエンタルな趣向(歴史・思想・風水・習慣・格言・行動規範など・・・)が盛り込まれ、<ライム>シリーズのなかでも異彩を放っている。
この作家、天才です。
やられまくりです。
真犯人が、予想以上に早く捕まった。
残りの30ページは!?
それまで、散々ドキドキして、どんでん返しを食らわされ、
何があるのか、就寝時間を削りに削って、サクサク読む。
そこまでオチがあるなんて、ね!!!
ありえません。
確かにタイトルがいけません。
結果が透けて見えるのだから。
彼の作品は、しっかり布石を拾いながら読んでも面白いし、
適当にさっと流して読んでも面白い。
登場人物は必要最低限で、必ず纏め上げる。
1人くらいもれていることがあるのが普通なのだが、
どんなに登場人物が多くても、必ず出てきた人物たちには〆がある。
命を吹き込むとは、そういうことなのだろう。
リンカーンとソニーの友情は、心温まるものがあった。
また、中国の文化(気とか風水とか)は、日本にも浸透したものだが、
西洋の人にとっては、珍しい、時に理解不能なことなんだろう。
とはいえ、濃い内容で非常に楽しい。
どんどん、文庫化してほしい限りである。
やられまくりです。
真犯人が、予想以上に早く捕まった。
残りの30ページは!?
それまで、散々ドキドキして、どんでん返しを食らわされ、
何があるのか、就寝時間を削りに削って、サクサク読む。
そこまでオチがあるなんて、ね!!!
ありえません。
確かにタイトルがいけません。
結果が透けて見えるのだから。
彼の作品は、しっかり布石を拾いながら読んでも面白いし、
適当にさっと流して読んでも面白い。
登場人物は必要最低限で、必ず纏め上げる。
1人くらいもれていることがあるのが普通なのだが、
どんなに登場人物が多くても、必ず出てきた人物たちには〆がある。
命を吹き込むとは、そういうことなのだろう。
リンカーンとソニーの友情は、心温まるものがあった。
また、中国の文化(気とか風水とか)は、日本にも浸透したものだが、
西洋の人にとっては、珍しい、時に理解不能なことなんだろう。
とはいえ、濃い内容で非常に楽しい。
どんどん、文庫化してほしい限りである。
作者の代表的シリーズ、<リンカーン・ライム>シリーズの第4作目。
2004年版このミス20位。文春2003ベスト10で5 位。
今回の作品で、ライム・サックスのコンビは、中国からの不法移民をアメリカに入国させる蛇頭・ゴーストと対決する。ライムは、移民帰化局、FBIからの依頼で、国際指名手配中の蛇頭・ゴーストがアメリカに向かっている事をキャッチし、逮捕を試みるが、ゴーストは拿捕の直前に不法移民を船室に閉じこめたまま船を爆破し、脱出する。難を逃れ密入国を果たした不法移民達の命をねらうゴースト、そしてこのゴーストをライムとサックス追の名コンビが追う。
作者の他の作品同様、スピーディーな展開で、かつ状況が二転三転し、読者を飽きさせない。「アッ」と驚く展開が、三カ所以上ある。一方、題名であるが、原題を直訳したものだが、これによって展開が予測できてしまうのが残念だ。
本作は、シリーズ4作目にあたるが、前3昨を読んでいなくても十分に楽しめる内容である。しかし、人物の背景、特にライムとサックスの関係を理解したうえで読み進めたのが面白いのは当然である。
2004年版このミス20位。文春2003ベスト10で5 位。
今回の作品で、ライム・サックスのコンビは、中国からの不法移民をアメリカに入国させる蛇頭・ゴーストと対決する。ライムは、移民帰化局、FBIからの依頼で、国際指名手配中の蛇頭・ゴーストがアメリカに向かっている事をキャッチし、逮捕を試みるが、ゴーストは拿捕の直前に不法移民を船室に閉じこめたまま船を爆破し、脱出する。難を逃れ密入国を果たした不法移民達の命をねらうゴースト、そしてこのゴーストをライムとサックス追の名コンビが追う。
作者の他の作品同様、スピーディーな展開で、かつ状況が二転三転し、読者を飽きさせない。「アッ」と驚く展開が、三カ所以上ある。一方、題名であるが、原題を直訳したものだが、これによって展開が予測できてしまうのが残念だ。
本作は、シリーズ4作目にあたるが、前3昨を読んでいなくても十分に楽しめる内容である。しかし、人物の背景、特にライムとサックスの関係を理解したうえで読み進めたのが面白いのは当然である。



