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神は銃弾 (文春文庫)
ボストン テランBoston Teran田口 俊樹
価格: ¥870 (税込)

文庫
出版社: 文藝春秋
発売日: 2001/09
ISBN: 4167527855
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 234440位
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比喩地獄がなければ完璧なんだが…
ノーテンキで大雑把なアメリカ人にこんな深い作家がいたのか!
本書で言及されている単純な二元論の悪の間違いを更に追求したい人は、
オクタビオ・パス か山本七平 の著作を薦める。
哲学的文学的なノワールなので、
純文学ファンによりいっそう受ける作品。
エンタメとしては、比喩表現がやり過ぎでうざい。
比喩地獄というギャグを自分で言ってるので、
許してやりたい気もするが、鼻につくので許しません。
比喩を刈り込んで2割ボリュームを落とせば、 完璧な作品になったろうに惜しい。
ノワールだがヒロインの方が多く人殺しするのが新鮮。
ヒーローはデスクカウボーイと揶揄されるヘタレだしなw
ヒーローの為にヒロインが活躍する異色作。
ヒーローの方が足手纏いであるww
プロットは単純だが、人間関係の描写が巧い。
ヒロインは犯されまくるが、
ヒーローとは恋仲にはならないのも新鮮!
セクースも武器の一種に過ぎない。
人間関係で大事なのは心の関係ざんす。
これを読んで心が揺すぶられない奴は読書する意味がない。

『デスク・カーボーイ』から“追跡者”へ
『神は銃弾』というカッコいいタイトルとCWA新人賞を受賞したことが動機で購読。
なにせ、形容詞がちりばめられていて、読み進められない。表現が重く、
ページを繰る手にサイド・ブレーキがかかった感じ。

保安官事務所刑事のボブがデスク・カーボーイから追跡者へと昇華する様が痛々しい。
同時に、刺々しいケイスと愛娘を奪還する旅をつうじて融合していくプロセスと、
ラストの清々しさが秀逸。
ハードで疲れる作品。
カルト集団にさらわれた娘を取り戻すために、娘の父親とカルト出身のヤク中女が手を組んで復讐の旅に出る、
という単純極まりない話のはずなのに・・・すごく読みにくい。
どこかのハードボイルドの登場人物が言いそうな小憎たらしい台詞を更に濃くしたような文体がひたすら続く。
更に、作品で書かれる「病んだアメリカ」とバイオレンス描写がきつくて、
冗談ではなく本当に体力を消耗する(笑)。
疲れているときは読まないほうがいいです。

もともと、「復讐」とか「銃弾」とかの方面に期待してたのでだけど、かなりあっさり終わってしまって肩透かし。
でも、この物語で一番面白かったのは、ボブとケイスが会話をしている場面だった。
「宗教は白人がこの世を支配するために生み出したシステム」だと言い、「宗教も政治も、銃弾という神には敵わない」と豪語する、ひたすら現状認識の女であるケイスと、
人を殺めながらも常識や神にすがろうとする男であるボブとの心の交流が、
このひたすら容赦がない世界観の中で唯一の「救い」に見える。
カルト集団のボスで、存在感ありまくりのサイラス。そしてフェリーマン。
どいつもこいつもかっこいい!
凄まじい小説
現在形で語られる散文詩的な文体が凄まじい。暴力と凶器の凄惨な世界に神はいない。全てに怒りが満ちあふれ、苦しみだけが支配しる状況での極限状態の人間関係。希望を求め、絶望から逃れるために地獄へと向かう二人。

読んでいるだけでこっちの精神もすり減ってしまいそうな厳しい小説だ。アクションシーンで生死の瀬戸際を渡るシーンも多いが、読みどころは精神的に生きるか死ぬかの争いう部分だろう。正義(神)を信じる主人公と、現実世界の闇を生きてきた元ジャンキー、悪の化身のようなカルト教祖、それぞれの世界観が衝突する。

そして、とにかくヒロインがカッコいい。
パワフルで魂のこもった、壮大な“散文詩”
「このミステリーがすごい!」’01年海外編第1位。’00年度CWA(イギリス推理作家協会)新人賞受賞作。

ストーリー自体はいたってシンプル。カリフォルニア州クレイ保安官事務所の刑事ボブは教主サイラス率いるカルト教団<左手の古径>一味に別れた妻を惨殺され、愛娘ギャビは彼らに連れ去られる。ボブはギャビを取り戻すため、休職し、元信者で麻薬中毒から更生中の女ケイスの助けを借りて南カリフォルニアの砂漠地帯を転々とする・・・。

現在形で表現される乾いた文体と短い章立てで進行するふたりの追跡行は、ケイスが卑語だらけの台詞を吐いたりして、決して上品なものではありえないのだが、ハードボイルドでもなく、ロードノベルのごとき冒険的要素があるわけでもなく、エンターテインメントなパルプ・ノワールというより、壮大で崇高な散文詩を読んでいるような感じがした。

それは銃撃戦や追跡、逃亡など“表面”のアクションシーンもさることながら、日常をはるかに超えた異常な悪の世界での、もっと“深い”心理的なもの、登場人物同士(ボブとケイスだけでなく脇役たちも含めて)の心の動きが台詞を通してびんびん伝わってくるからだろうと思う。

欲を言えば、カルト教団<左手の古径>のスケールが、たいした教義といえるものもなく、教団と呼ぶにはあまりにも小さい。これでは狂気をはらんだサイラスをリーダーとした街の暴力グループに過ぎない。もう少し組織的な新興宗教の教団とするか、あるいは単に常軌を逸したアウトローたちという設定でもよかったのではないか。それでもこの物語の持つ強烈なうねりは決して色褪せることはなかっただろう。

それにしても、デビュー作でこれだけパワフルで魂のこもった小説を書いてしまうとは、ボストン・テランとはなんとたいした作家であることか。




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