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胸の香り (文春文庫)
宮本 輝
価格: ¥420 (税込)

文庫
出版社: 文芸春秋
発売日: 1999/07
ISBN: 4167348144
おすすめ度:4.5
Amazon ランキング: 92003位
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余韻の残る、大人の味わい
宮本輝らしい、香り立つ作品集。
こたえを出すことの難しい様々な恋愛が描かれている。不倫と妊娠、出生の秘密・・・人生の影の部分を仄かに照らす、こころの物語。

『月に浮かぶ』では、名月の夜に洋上で不倫相手の深刻な告白をうけて“私”がつぶやく。「僕には、海に映っている月のほうが本物に見えるよ」・・・。

善悪では割り切れない、男と女の恋愛・性愛のどうしようもない部分が描かれていて、余韻の残る短編集だ。

濃縮された短編集
 この『胸の香り』には、濃密な七つの短編が収められている。
 「あとがき」によれば、「二、三の作品を除いて、ほとんどは四百字詰原稿用紙で三十枚あるかないか」の小説であるけれども、いずれも味わい深く、余韻の残る作品ばかりである。
 これらの小説の中で、私個人としては「道に舞う」が好きだ。「好き」というよりむしろ、この作品を読んでいて子どもの頃の切ない記憶が蘇ってしまった。生きることの辛さ、切なさ…。普段は心の奥底に眠っているそういったものに対する感情が、一気に噴き出たのであろうか。さらにこの作品は、不思議と高史明さんの『生きることの意味』をも彷彿とさせた。
 何はともあれ、七編すべて実に巧みなプロットと筆遣いである。
 
 
 
濃厚です。
本は薄いですが、中身は濃厚な短編集。特に『舟を焼く』は少ないページによくぞと、ため息が出るぐらい読み応え充分です。旅館を営む若い夫婦と焼かれる舟のエピソードを聞くにつれ互いに自分の心を顧み、やがて気持ちの整理をつけます。舟に運命を重ね合わせる様が絶妙です。
久々の単編のヒットでは
『舟を焼く』と『深海魚を釣る』はあまりにリヤルで、目の前に情景が浮か
びます。
長編が多い中で、この作品は半分以上が面白いものが詰まっている
完成度の高い短編集です。
ちょっと出張する時など、読むにはいい作品ではないでしょうか。
凝縮された作品達、絶品
自分の子供を身籠もって流産した美幸と海上で満月を見る『月に浮かぶ』、珠恵との最後の旅で泊まった安旅館の主人夫婦は2人の思い出の舟を焼き別れてゆく『舟を焼く』、九州で一夜を過ごした真須美と2年後リスボンで再会し彼女の家で義父母と出会う『さざなみ』、入院した母の同室のパン屋の嫁、彼女の亭主に母は夫の香を嗅ぐ、そして母の或るパン屋に関する思い出話『胸の香り』、郵送されてきた<しぐれ屋の歴史>と言う小冊子、送り主と会いしぐれ屋と父母との関わり合いを知る『しぐれ屋の歴史』、和歌山で起こった殺人事件、加害者である次男の友人のカバちゃんと父親が2人いる彼の家族との思い出『深海魚を釣る』、シルクロードの旅で見かけた2匹の蝶に見えた母と娘は小学校5年の時叔母に!預けられた町にいた乞食の母と娘の思い出を呼び起こす『道に舞う』、あとがきにもあるが数少ない短編集、妻、父、母、家族を描く凝縮された作品達。絶品



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