気が弱ってるときにこの作品を読むと死にたくなります。
体調万全で用心深く読むことをお勧めします。
読後に、脂汗が出るような疲労を感じなかったら、
すでに心が死んでる証拠です。
岬 (文春文庫 な 4-1)
|
代表する作家、中上健次の芥川賞受賞作「岬」を含めた、四篇の短、中篇を収める。
主人公の痛みや葛藤がまざまざと浮かび上がってくるその表現力はさすが。だが、表題作にしろなんにしろ、一人称で書かれてあればよかったという気がしなくもない。あと、どうも改行のタイミングが受けつけない。
主人公の痛みや葛藤がまざまざと浮かび上がってくるその表現力はさすが。だが、表題作にしろなんにしろ、一人称で書かれてあればよかったという気がしなくもない。あと、どうも改行のタイミングが受けつけない。
三人称なのに、まるで一人称かのように主人公の苛立ち
が読み手に伝わってくる(またそうのように表現している
場面も山ほどある。)
率直に言うと、文体は一人称を使うべきだったのでは、と
思うけれども、苛立つパワーには引き込まれた。
が読み手に伝わってくる(またそうのように表現している
場面も山ほどある。)
率直に言うと、文体は一人称を使うべきだったのでは、と
思うけれども、苛立つパワーには引き込まれた。
愛情への強い渇望を抱く兄姉。逃れられない血・土地への
恨み。ヒシヒシ伝わってくる。
作者自身の苛立ちが、文章を通じて強いパワーを読者に感
じさせる。今生きていたらどんな文章を書いていただろう。
岬、英語でpeninsulaそうペニス=男根である。
男根は膨張し行き場のない力を放出しようとする。
その上でうごめく人物群。上京して覚醒した中上=秋幸は
この作品で新宮に帰還した。
そして新宮=物語に復讐を開始する。
男根は膨張し行き場のない力を放出しようとする。
その上でうごめく人物群。上京して覚醒した中上=秋幸は
この作品で新宮に帰還した。
そして新宮=物語に復讐を開始する。
「心臓が愛しい、愛しいとなっていた。
ペニスが心臓ならよいと思った。」
という文に魅かれた。
この作品には「蝸牛」(’74年3月発表)に1度描かれたことのある殺人事件が前半に置かれ、
それが引き金となって生じた2番目の異父姉の精神異常が、この姉たちの父親の法事を背景に
描かれています。
それが引き金となって生じた2番目の異父姉の精神異常が、この姉たちの父親の法事を背景に
描かれています。
その間、「枯木灘」以降、いや中上の全作品にと言っても過言ではないのですが、重要な意味を持って
くる自殺した異父兄の皆との関係が実に自然に書き込まれています。
そして最後にそれらの関係の総体がもたらす結節点として、主人公の近親相姦が圧倒的な迫力をもって
描写されているのです。
複雑な親族関係が、簡潔に正確に捉えられています。この作品内にあっては、いかなる曖昧な関係
の叙述もない。すべては解明されつくしています。


