●一度は耳にしたことがあるであろう、
言わずと知れた時代小説の巨匠”藤沢周平”の名作中の名作
「蝉しぐれ」
●日本人にしかこの繊細な感動はわからないと思う。
DNAの髄まで浸透しているとしか思えない日本特有の美意識。
無常観、儚さ、わびさび。
これら日本特有の美意識がこの小説全体に漂っているのを感じます。
●決して、「恋空」のようなお涙頂戴の安っぽい感動ではなく、品性を感じさせる感動であり、
また、映画タイタニックのような体を突き抜けるような壮大な感動でもない。
それは心に染み入る、儚い、情緒溢れる、感慨深い作品といった言葉が一番当てはまる気がする。
●読んだ後は心地よい浮遊感を感じると共に、どこかさびしさを感じる不思議な小説。
蝉しぐれ (文春文庫)
|
藤沢周平作品の初読書である。
映画を拝見して読みたくなったのであるが、
読後感としてよかった。
映画を拝見して読みたくなったのであるが、
読後感としてよかった。
当方、時代小説に関しては全くの初心者である。だからこそ、世評の高い本作を入門編として読んだのである。
反感覚悟で、敢えて一言で言う。
緩い。
わざわざ長編にするような話だろうか?若干似たモチーフの三島由紀夫『春の雪』の読後感に比べたら5分の1くらいの感動だったような気がする。
元々、私が時代小説とは相性が悪かったのかも知れない。しかし藤沢周平のこの作品は舞台だけ、江戸時代にしたサラリーマン小説であるような印象を受けた。ファンが多いのも分かる気がする。
勿論、文章は神業並みに上手い!が、却ってそのテクニカルなあざとさが鼻につく。
藤沢周平の小説はもう、多分これ以上読まないと思う。
反感覚悟で、敢えて一言で言う。
緩い。
わざわざ長編にするような話だろうか?若干似たモチーフの三島由紀夫『春の雪』の読後感に比べたら5分の1くらいの感動だったような気がする。
元々、私が時代小説とは相性が悪かったのかも知れない。しかし藤沢周平のこの作品は舞台だけ、江戸時代にしたサラリーマン小説であるような印象を受けた。ファンが多いのも分かる気がする。
勿論、文章は神業並みに上手い!が、却ってそのテクニカルなあざとさが鼻につく。
藤沢周平の小説はもう、多分これ以上読まないと思う。
藤沢作品をはじめて読みましたが、これはなかなか面白い時代モノでした。
作者の小説をもっともっと読んでみたいと思う一冊です。
作者の小説をもっともっと読んでみたいと思う一冊です。
『蝉しぐれ』には、牧文四郎のひた向きに生きる様が描かれている。
淡い恋心、青春時代、過酷な運命、親を想う気持ち、人生を切り開く勇気、修行の行為、そういった生きる醍醐味を、彼は手加減なく経験していく。
尊敬に値する父のいる不自由なき良い家庭に育ち得た青年が、突然、家の不運に襲われる。心ない周囲の行為が彼をさらに傷つける。彼は若くして地獄を見たはずだ。私だったら、きっと潰れてしまう。
現代は、少しぶっちゃける。辛いときには、情けない姿や弱音、そういうものを、ちょっと見せて共感を得る。別にそれで悪くない。頼ってもらえれば「しゃあないなぁ〜」って、味方してあげたくなるし、持ちつ持たれつは、良好な人間関係で、わたしたちは今、そういう時代に生きている。
しかし彼は、潰れもせず、泣きつきもせず。じっと思案し、どうすべきか道を探り、まっすぐに走りだした。ときに竹馬の友や縁ある人々が、文四郎に力を貸そうとする。そんな描かれ方もいい。
彼を見ていると、何があっても彼を支持したい気持ちになっていく。
母をかばい、自らの生きる道を見いだし、志高く生きようとする。そうすることに、一歩も引かなかった。冷静に己を見つめる視点と共に、選んだ剣の道を謙虚に渋く歩み、やがて自信を身につけるに至った。
逆境に負けず、ひた向きに生きて行く。人として大切な姿が描かれた作品である。
淡い恋心、青春時代、過酷な運命、親を想う気持ち、人生を切り開く勇気、修行の行為、そういった生きる醍醐味を、彼は手加減なく経験していく。
尊敬に値する父のいる不自由なき良い家庭に育ち得た青年が、突然、家の不運に襲われる。心ない周囲の行為が彼をさらに傷つける。彼は若くして地獄を見たはずだ。私だったら、きっと潰れてしまう。
現代は、少しぶっちゃける。辛いときには、情けない姿や弱音、そういうものを、ちょっと見せて共感を得る。別にそれで悪くない。頼ってもらえれば「しゃあないなぁ〜」って、味方してあげたくなるし、持ちつ持たれつは、良好な人間関係で、わたしたちは今、そういう時代に生きている。
しかし彼は、潰れもせず、泣きつきもせず。じっと思案し、どうすべきか道を探り、まっすぐに走りだした。ときに竹馬の友や縁ある人々が、文四郎に力を貸そうとする。そんな描かれ方もいい。
彼を見ていると、何があっても彼を支持したい気持ちになっていく。
母をかばい、自らの生きる道を見いだし、志高く生きようとする。そうすることに、一歩も引かなかった。冷静に己を見つめる視点と共に、選んだ剣の道を謙虚に渋く歩み、やがて自信を身につけるに至った。
逆境に負けず、ひた向きに生きて行く。人として大切な姿が描かれた作品である。



