恐怖 (文春文庫)
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この小説を推選するのに登場人物やストーリーを説明するのはさほど重要なことではない。夢や実験的手法をテ−マにした近年の作品を好きなものには、もっとも楽しめる作品のひとつである。一見軽々と書き上げられたような、しかしファンにとっては快楽的といえる文体。その中に魅力的なテーマ、考察、アイデア、ギャグが織りこまれ、敵 や 残像に口紅 にも通じる面白さだ。現代人の心理的、本能的恐怖を軸にした小説虚構時間をあじわう。(単行本の活字レイアウトの感触がフィットしなかったので文庫で)
良くも悪くもまとまりすぎ。
いろいろ実験しているのはわかるのだが、
筒井康隆に求めているのは、まっとうな狂気(というのも変だが)
である。
往年のパワーを求めると、この先生も歳をとったなぁ実感させられる。
残念。
いろいろ実験しているのはわかるのだが、
筒井康隆に求めているのは、まっとうな狂気(というのも変だが)
である。
往年のパワーを求めると、この先生も歳をとったなぁ実感させられる。
残念。
二流以下の作品である。解説では、単なるミステリとして読んでも満足できると書いてあるが、決してそんなことはない。
殺人事件における恐怖をスラップスティック風に書きなぐった小説家。ある意味リアルなのかもしれないが、話自体の魅力がイマイチなので、そこまで評価できる作品ではないと思う。
殺人事件における恐怖をスラップスティック風に書きなぐった小説家。ある意味リアルなのかもしれないが、話自体の魅力がイマイチなので、そこまで評価できる作品ではないと思う。
推理小説としては特に言うべき点はないが、もともと筒井作品に期待しているのはそんなところではないからそれは別にかまわない。ただ、肝心の「恐怖」も、いまいち物足りないと感じた。これなら、初期短編にこそ、もっと怖いのはたくさんあった。
「ロートレック荘事件」の結末で、思わず「ギャー!」と叫び、「そんなのありかよ筒井センセイ」と思いつつ星5つにしてしまった私にとって、はっきり言って今回の犯人は不満であり、トリックに関しても特に目新しいものは感じませんでした。論理的矛盾もなく、ある意味では正統派ミステリーとも言えます。しかし、はからずも他殺死体の第一発見者となってしまった中年作家の村田勘市が通りがかった主婦に弁明する場面から、いきなり筒井節が炸裂。文化人同士の会話、さらには自宅のバラの花を手折った女子高生を歯の浮いたような言葉でナンパする場面にいたっては、あの文学部唯野教授を彷彿とさせるものがありました。また主人公はもちろん、彼をとりまく人々がミステリーのなぞ解きをする過程において、クリスティが引用されたり、「オカルト的な自己完結」とか「循環形式の殺人事件」とか、新しい表現がされるのにも興味をひかれました。主人公は、つぎに殺されるのは自分だと思い、さらには周りの者すべてが犯人に思えてきて、雨と雷の音で更なる恐怖をつのらせますが、そんな中で被害者の形見分けでもらった被害者そっくりの人形「美都ちゃん」が加わることにより、さらに恐怖が増幅していきます。結局のところ、作者が真に描きたかったのは、題名通り「恐怖」であり、ハイデガーの恐れの分類を引用したり、恐怖こそは性衝動より以前から存在する根源的な本能だと言い切ることにより、その主張が明確になっています。正統派ミステリーとして読むも良し。メタミステリーとして読むも良し。ホラーとして読むも良し。という作品です。



