ひとつ前に戻る

アキハバラ@DEEP (文春文庫)
石田 衣良
価格: ¥750 (税込)

文庫
出版社: 文藝春秋
発売日: 2006/09
ISBN: 4167174111
おすすめ度:3.5
Amazon ランキング: 142030位
発送可能時期: 在庫あり。

amazonの詳細ページへ
5聖地アキハバラ
著者の熱が感じられる作品でした。秋葉原という場所は、確かに不思議な場所です。海外に知られている日本の最も有名な場所、として本書でも表記されていますが、東京の中でも独特の雰囲気です。新宿、渋谷。原宿、六本木といったファッションやモード的なものと異なります。著者は、世界の中の、おたくの聖地という表現も使っていますが、言いえて妙の感です。著者は、そういう場所で、ハンディをもって、社会の底辺部にいる若者に思いを託したようです。プロットはシンプルなのですが、登場人物のキャラクターが抜群に良いです。そして、一般の読者にも届くようにわかりやすく表現されたアキバと電子の世界。著者の力量があってこその作品でしょう。眠るのを削ってでも読み続けた作品です。
4秋葉原じゃなくてまさにアキハバラ
石田衣良は初めて読んだ。雑誌に載ったエッセイは読んだことがあったんだが、ミステリー小説とかについて書いていて、それがまた自分の好きな小説を褒める内容だったので、逆に敬遠してた。たぶん世代的には近い、というより同世代だと思うので、学生時代(20年ぐらい前)に読んでいた本がかぶるのは当然なんだけど、それを称賛しているのを読むのはちょっとこそばゆいような感じがした。

なので、きっと読めば好きになる小説家だとは思いながら、あえて読もうとしなかったんだけど、この小説は、ハードカバーで出版されたときから、気になっていたので、意を決して読んでみた。

秋葉原って変わったなぁ。最近、またよく行くようになったんだけど、よく行ってた25,6年前からすると全く違う街のような気がする。そんな街の移り変わりとそれと若者たちの行き方の変化をよく絡めて描いている。

最近の若者って、ひきこもりが多いっていわれるけど、自分が若かったころの周りにいる人間よりもよっぽど世界のことを考えている。

20年前なんて、オタクすらいなくて、周りには恋愛至上主義の人間ばかりだったもんな。

面白い小説だった。でもAIについては、できればもっと突っ込んでほしかったような気もする。
4現代のおとぎ話ですね
社会不適合者みたいな6人の男女が、画期的なAI型検索エンジン
を開発する。現代のおとぎ話ですね。マイクロソフトを創業したビル・
ゲイツはハーバード大学の学生だったし、Googleの創立者たちは
スタンフォード大学の博士課程に在籍していた。オタク的要素はあっ
たとしても、決して社会不適合者ではない。それどころか、エリート
層に属していたと言って良い。ちなみに、本作の主人公の一人で
あるページと言う名前は、Google創立者の一人、ラリー・ペイジと
同名である。

検索エンジンという目の付け所は良いと思う。検索エンジンを征する
と言う事は、ネットの世界を征するも同然と言って良い。サイトにアク
セスを集めるには、サイトの質的優劣では無く、検索エンジンに上位
表示されるかにかかっている。

言わばサイトの殺生与奪権を検索エンジンが握っているのだ。
Googleの検索アルゴリズムであるPageRankを上げる為に、企業が
金と人手をかけてバックリンクを構築しているのが現状である。
本作では、利用者から定額課金をすると言っていたが、そんな必要
は無いのである。金はサイト管理者からいくらでも集められる。

この作品は、おとぎ話と割り切れば、それなりに退屈しないで読める。
登場人物も個性豊かであり、秋葉原の情景など思い浮かべながら
読む事が出来る。ただ、ラストの展開はあまりにも芸が無い。
ページ(と言うか、作者)にはもう少し考えて欲しかった。

あと、作品タイトルの@DEEPというのは違和感がありますね。大昔の
メインフレームじゃないんだから、普通は小文字で@deepでしょう。
それと、インターネット上に介在するプログラムをマシン語で書くかな、
と言う気がします。
4アキバも最高!!
直木賞作家、石田衣良先生の中編。IWGPなどと比べると500P超で厚めです。
元は小説雑誌に連載されていたものだったそうです。

なので人物説明などで時々くどい印象を受けました。

しかし、氏の得意とする、個性の強い人物像、「ありえね〜」といいつつワクワクさせる展開などなど面白かったです。
基本的には王道な展開なんですけどね。オタクの6人組(と言っても他の方が書かれているように、バリバリのオタクってよりは、コンピューターフリークって感じ)が会社を興して、画期的な発明をするんだけど、それを狙う腹黒い会社の社長が現れて…みたいな。

大筋はなんとなく読めちゃうんですが、途中で出て来た人が最後に思わぬ形で出て来たり、あと勧善懲悪的な色合いが強いので、読んでてすっきりするのも良いですね。



池袋といい、石田先生は「街の匂い」みたいなものを書くのが本当に上手い。あの軽妙な語り口で、オタクの聖地を魅力的に描きこんでいる。街自体も一つの登場人物のようです。



人によってはややライトに思える語り口なので、見た目分厚い本ですが、短期間で読めちゃいました。

賛否両論ありますが、私は池袋のシリーズと同じ位、こちらもオススメです。

この後の話も読みたいなあ。
4アキハバラ六矢の教え
始めの方で、この物語がハッピーエンドであることがネタバレされるからか、安心感はあるけどドキドキ感は少ないです。
石田さんらしい疾走感にはあふれているので、サクサク読めます。
いろいろツッコミを入れたくなる部分も多いですが、小さな正義が巨悪に立ち向かう話はそれだけで面白いので★4つ。

結局石田さんが何を語りたかったのかと言えば、一人ひとりはか弱い存在でも、結束すれば強くなれるってことだと思います。
「三矢の教え」のアキバ版です。
みんながほんの少しずつでも勇気を持てば、引き込もりでも世界を変えられるんだよ、ってことかと。

ところで、途中までタイコ君のことを女の子だと思って読んでいたのは私だけでしょうか?
『サザエさん』の観過ぎですかね^^;



本のみちしるべ Powered by Amazon Web Service
PR: 本をまとめて検索