小説好きの友達に薦めたいと思う本であった。
六つの短編集から成り手軽に読めるのに、密度が濃くて、非常に満足感が得られる。
なによりも読後感がとても良い。心がじわっと温まり、確かな力を与えてくれる。
私のお薦めは、「守護神」という短篇。登場人物二人の生きる姿勢はもちろんのことであるが、古典文学に対する会話内容が面白く、よりいっそう物語に惹きこまれる。
ちなみに表題の「風に舞いあがるビニールシート」は、本書の最終短篇のタイトル。表題に選ばれ、巻末に置かれている故、本書一番の読み所であろう。国際連合難民高等弁務官事務所が物語の舞台になっており、作者の拘りは感じるのだが、取材力不足なのか、社会派描写の不慣れか、その拘りが伝えきれておらず、深みが出ていないのが惜しいように感じる。ちなみに本短篇は、NHKでドラマ化され、主人公を吹石一恵が演じているが、本書から受ける印象とは全く異なる。個人的にはドラマの方がよく出来ていると感じた。
風に舞いあがるビニールシート
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表題作は難民支援組織に勤務する女性の話です。
これが良かった。
女性の自立を描いた短編としては素晴らしいと思いました。
これが良かった。
女性の自立を描いた短編としては素晴らしいと思いました。
どの主人公も、共通して言えることは
正義感が強く、すべてを完璧にこなそうとする性格。
だから、無理が出たり、
苦しんだりすることがある。
お話の中では、そんな主人公の周りに
必ず息抜きをしてくれる人や、出来事があります。
日々のなにげない生活の中で
主人公が人として成長、変化していく心の様子が
上手く描けている作品でした。
あっというまに読んでしまいました。
正義感が強く、すべてを完璧にこなそうとする性格。
だから、無理が出たり、
苦しんだりすることがある。
お話の中では、そんな主人公の周りに
必ず息抜きをしてくれる人や、出来事があります。
日々のなにげない生活の中で
主人公が人として成長、変化していく心の様子が
上手く描けている作品でした。
あっというまに読んでしまいました。
直木賞受賞作品で、6篇の作品からなる短編集です。
各物語の主人公は、良い意味で、何かにこだわりを持っており、安易に妥協しないで生きている姿に共感できます。
そういう点で、短編集ながら、全体としての統一感はあります。
やはり、表題作が秀逸だと思いますが、個人的には「守護神」と「ジェネレーションX」もお奨めです。
各物語の主人公は、良い意味で、何かにこだわりを持っており、安易に妥協しないで生きている姿に共感できます。
そういう点で、短編集ながら、全体としての統一感はあります。
やはり、表題作が秀逸だと思いますが、個人的には「守護神」と「ジェネレーションX」もお奨めです。
六つのエピソードからなる珠玉の短編集である。仏師になれなかった修復士の、仏像への執念と畏敬を丹念に綴った「鐘の音」と、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の職員同士の夫婦の絆を描いた「風に舞い上がるビニールシート」。この二作が私には印象深かった。
中でもとりわけ傑出していたのがアフガン紛争という時事問題を取り上げた「ビニールシート」だ。シリアスな国際情勢と官能的な夫婦像がイラク邦人人質事件等のタイムリーな問題を挟んで巧みに描かれている。ラストの夫に殉職された妻がアフガン行きを決意するシーンは暫し言葉を失うほどに鮮烈なものであり、読了してからも心の内奥に反響して止まない。
巻末の参考文献を見ると、著者がこの二話を書く為にどれだけ下調べをされたかが解る。特に、「ビニールシート」はUNHCRの職員に取材までされている。この方は読者の琴線に触れる文章をナチュラルかつ細密に描写できる稀有な作家であると思う。故に、直木賞受賞は至極当然の成り行きだったと言えよう。
中でもとりわけ傑出していたのがアフガン紛争という時事問題を取り上げた「ビニールシート」だ。シリアスな国際情勢と官能的な夫婦像がイラク邦人人質事件等のタイムリーな問題を挟んで巧みに描かれている。ラストの夫に殉職された妻がアフガン行きを決意するシーンは暫し言葉を失うほどに鮮烈なものであり、読了してからも心の内奥に反響して止まない。
巻末の参考文献を見ると、著者がこの二話を書く為にどれだけ下調べをされたかが解る。特に、「ビニールシート」はUNHCRの職員に取材までされている。この方は読者の琴線に触れる文章をナチュラルかつ細密に描写できる稀有な作家であると思う。故に、直木賞受賞は至極当然の成り行きだったと言えよう。



