伊良部先生、相変わらずいい味出してます。
面白かったのですが、モデルが分かる分、先の予測がついてしまって損をしてると思います。
個人的には「イン・ザ・プール」や「空中ブランコ」の方が面白かった!
この本の中では、オリジナリティのある「町長選挙」が一番気に入りました。
老人達が伊良部先生に寄せる気持ちが、読者のそれに近いかも。
ただ、途中先生に疲れが見えるところは残念。伊良部先生にはいつも傍迷惑な程
ハイテンションでいてほしいです(笑)。
町長選挙
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2006年4月15日リリース。初出はオール讀物の平成17年1月号から平成18年1月号。伊良部+マユミシリーズの第3弾。
今回の作品は限りなく具体的に現実にいる人3人(ちなみに誰が読んでも、渡邉恒雄・堀江貴文・黒木瞳だ)と伊良部+マユミを対峙させるというかなり実験的な試み(そんなにたいそうな物でもないのかもしれないが・・・・)と、別空間へ伊良部+マユミを送り込んだらどうなるか、といった試みに意図的に取り組んだ感じだ。その辺が小説手法にさまざまなアプローチを試みている奥田氏ならではのモノになっている。
本作を読了して感じたのは、人間というのは自分のイメージを創作し、そのイメージに沿って生きようとするモノなのだなということだった。そういう行為というのは人間のような頭脳を持ったものしかしないだろう。それが他の動物には決して生じないようなストレスを産んでいるのだろう。だから伊良部のように自分のイメージを創造しないタイプの人間は疲労しない。だから伊良部は子供のようなのだろう。
見ず知らずでなく、マスコミに多々露出している人たちは『イメージ』の世界の人たちだ。言ってみればそれは彼等が外の世界に向けて発している『偶像』に過ぎない。吉田拓郎の『イメージの詩』の歌詞が頭を過ぎった。
今回の作品は限りなく具体的に現実にいる人3人(ちなみに誰が読んでも、渡邉恒雄・堀江貴文・黒木瞳だ)と伊良部+マユミを対峙させるというかなり実験的な試み(そんなにたいそうな物でもないのかもしれないが・・・・)と、別空間へ伊良部+マユミを送り込んだらどうなるか、といった試みに意図的に取り組んだ感じだ。その辺が小説手法にさまざまなアプローチを試みている奥田氏ならではのモノになっている。
本作を読了して感じたのは、人間というのは自分のイメージを創作し、そのイメージに沿って生きようとするモノなのだなということだった。そういう行為というのは人間のような頭脳を持ったものしかしないだろう。それが他の動物には決して生じないようなストレスを産んでいるのだろう。だから伊良部のように自分のイメージを創造しないタイプの人間は疲労しない。だから伊良部は子供のようなのだろう。
見ず知らずでなく、マスコミに多々露出している人たちは『イメージ』の世界の人たちだ。言ってみればそれは彼等が外の世界に向けて発している『偶像』に過ぎない。吉田拓郎の『イメージの詩』の歌詞が頭を過ぎった。
『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』に続く、伊良部シリーズ第3弾ですが、前二作と明らかに違うのは、他の方も書かれている通り、患者の人物像が明らかに実在の人物を思わせるところですね。
ただ今回は、伊良部先生の存在感がイマイチなのが気になりました。
それよりも患者やその周囲のキャラクターの強さが勝ってしまっています。
実在の人物をモデルにしたような内容は、描き方次第で「ブラック・ユーモア」にも仕上がりますから、私は嫌いではありません。
でもこの作品の場合、もっと破天荒ながらも伊良部先生ならではの存在感をアピールできたなら、「伊良部先生が実際いたらなぁ」と読者に思わせ、もっと評価が上がったのかもしれません。
また、実在の人物を思わせる患者であるなら、もっと徹底的に実在の人物の心理状態を想像し作品内で展開して欲しかったです。
ここでは私達がTVでその人物を見て想像する範囲でしか描かれていなかったのがちょっと残念でした。
と言いながらもなぜ星3つなのかと言えば、そんな中でも「カリスマ稼業」における看護師マユミの言動に、白木カオルとほぼ同世代の私はグサリと来ながらも的を得ていると感じたからです。
ただ今回は、伊良部先生の存在感がイマイチなのが気になりました。
それよりも患者やその周囲のキャラクターの強さが勝ってしまっています。
実在の人物をモデルにしたような内容は、描き方次第で「ブラック・ユーモア」にも仕上がりますから、私は嫌いではありません。
でもこの作品の場合、もっと破天荒ながらも伊良部先生ならではの存在感をアピールできたなら、「伊良部先生が実際いたらなぁ」と読者に思わせ、もっと評価が上がったのかもしれません。
また、実在の人物を思わせる患者であるなら、もっと徹底的に実在の人物の心理状態を想像し作品内で展開して欲しかったです。
ここでは私達がTVでその人物を見て想像する範囲でしか描かれていなかったのがちょっと残念でした。
と言いながらもなぜ星3つなのかと言えば、そんな中でも「カリスマ稼業」における看護師マユミの言動に、白木カオルとほぼ同世代の私はグサリと来ながらも的を得ていると感じたからです。
伊良部一郎医師の人気シリーズ第3弾。残念ながらまだ文庫化されていないが、人気ぶりからして時間の問題であろう。本書は従来のテイストに加え、話題性と社会性を盛り込んでおり、伊良部医師もいよいよ表舞台にご登場かという印象を強く与えてくれた。某新聞社の会長兼球団オーナーの威厳ぶりや時代の風雲児と呼ばれた某社社長の人生哲学などを描いた「オーナー」や「アンポンマン」といった作品は、懐かしい感慨めいた雰囲気に満ちている。「カリスマ稼業」もおそらく同様であろう。
話題性を優先する大衆メディアは報道内容が偏重し、十分な論議や総括をすることなく、次なる話題に飛びつき読者の関心を巧みに誘導する効能を有している。むろんメディアのみの責任ではないが、メディアの作用は実に大きい。かつての某IT企業による球団獲得・その後のラジオ放送社買収騒動事件は多くの人にとってすでに「過去のもの」として記憶されているだろう。「時価総額世界一」と豪語された人生哲学も今では嘲笑の対象とみなされているのかもしれない。本書はいずれもそうした主題を「過去の話題」としてではなく、そこに潜む人間の深層心理とともにヘビーな作風というよりは新鮮な趣をもった内容として再生されてくれているような気がした。
とはいえ、そうした話題性・社会性が注目される反面、伊良部の活躍というか存在感が薄くなっているような印象も拭えない。伊良部による患者の症状の治療に対する突拍子もないが核心を突いた発言とともに、奇抜な言動ぶりは相変わらず健在ではあるが、私にはそう映った。伊良部総合病院を離れての初の仕事ぶりを、その離島の「町長選挙」(本書の第4作品)と絡めて描いた作品も、やや腰砕け的なもののように思えた。とくにエンディングは物足りない感じであった。少なくとも『空中ブランコ』所収の作品群を超える出来ではない。次回作への強い期待を込めて今回は「星4つ」としたい。
話題性を優先する大衆メディアは報道内容が偏重し、十分な論議や総括をすることなく、次なる話題に飛びつき読者の関心を巧みに誘導する効能を有している。むろんメディアのみの責任ではないが、メディアの作用は実に大きい。かつての某IT企業による球団獲得・その後のラジオ放送社買収騒動事件は多くの人にとってすでに「過去のもの」として記憶されているだろう。「時価総額世界一」と豪語された人生哲学も今では嘲笑の対象とみなされているのかもしれない。本書はいずれもそうした主題を「過去の話題」としてではなく、そこに潜む人間の深層心理とともにヘビーな作風というよりは新鮮な趣をもった内容として再生されてくれているような気がした。
とはいえ、そうした話題性・社会性が注目される反面、伊良部の活躍というか存在感が薄くなっているような印象も拭えない。伊良部による患者の症状の治療に対する突拍子もないが核心を突いた発言とともに、奇抜な言動ぶりは相変わらず健在ではあるが、私にはそう映った。伊良部総合病院を離れての初の仕事ぶりを、その離島の「町長選挙」(本書の第4作品)と絡めて描いた作品も、やや腰砕け的なもののように思えた。とくにエンディングは物足りない感じであった。少なくとも『空中ブランコ』所収の作品群を超える出来ではない。次回作への強い期待を込めて今回は「星4つ」としたい。
「インザプール」と「天使のブランコ」を読んで
大変に面白かったので、つづいて伊良部一郎ワールド
を楽しみたかったため、この本を読んだ。
しかし、作成当時の出来事を下敷きにして書いていることや
登場人物のキャラクターがたちすぎた為か
前作のような伊良部一郎ワールドが展開されていない。
けれども、これらのシリーズは、読書が苦手な方でも
スラスラとあっというまに読み終えてしまうため、
お勧めですが、まずは「インザプール」と「天使のブランコ」
を読んでから、この本を読むかを判断をしたほうが
宜しいかと思います。
大変に面白かったので、つづいて伊良部一郎ワールド
を楽しみたかったため、この本を読んだ。
しかし、作成当時の出来事を下敷きにして書いていることや
登場人物のキャラクターがたちすぎた為か
前作のような伊良部一郎ワールドが展開されていない。
けれども、これらのシリーズは、読書が苦手な方でも
スラスラとあっというまに読み終えてしまうため、
お勧めですが、まずは「インザプール」と「天使のブランコ」
を読んでから、この本を読むかを判断をしたほうが
宜しいかと思います。



