ある日の出来事を、夫婦それぞれの立場から見た短編の連作集。
夫婦の頭の中とはこうも違う世界なのか。
この小説の夫婦と同じく自分も結婚して10年だけれど、
かなりショック。
もちろん相手の考えていることや感じていることは
想像するしかないのだけれど。
分かり合っていると思い込むほうがシアワセなのか、
本当のところはわからないと諦めるほうがシアワセなのか。
それでもこの夫婦は別れないのだろう。
相手に自分の言葉は届かない。
自分の中で完結してしまう。
世の中の夫婦のほとんどは、こうなのかもしれない。
人間はひとりぼっちだ。それは確かなこと。
ラストシーンが印象的。
赤い長靴
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寄る辺ない関係だからこそ、ひとりぼっちがたくましく感じるのかな。ひとりぼっちでにっちもさっちも行かなくなった時、笑うしかないんだということを、そういうことを、したことがある気がする。まるで泣くように。
日和子はしょうぞうを善人だと思っている。善人のしょうぞうに、大切にされていると思う。それなのにさびしかった。
しょうぞうに触れるよりしょうぞうの洗濯もの触れるほうが幸福なことが、しょうぞうのいる場所でよりいない場所での方が、
しょうぞうを好きであるきのすることが。
夜に外にいると不安なのね。馴染めないの」馴染めばしょうぞうを失う気がする、ということは言わなかった。
「「昔は夜が見方だったから」「それを思い出してしまうのが恐いんだと思う。簡単に思い出せることがわかってるから」
私は政ちゃんしょうちゃん以外の人たちを、全部恐いのかもしれない。その考えは日和子を心底驚愕させた。
驚愕させたが、事実だと思えた。一体いつからそんなことになったのだろう。みんな、私の人生を構成する、大切な人々だったはずなのに。
なるほどなあ〜〜と思う作中の文章であります。
しょうぞうに触れるよりしょうぞうの洗濯もの触れるほうが幸福なことが、しょうぞうのいる場所でよりいない場所での方が、
しょうぞうを好きであるきのすることが。
夜に外にいると不安なのね。馴染めないの」馴染めばしょうぞうを失う気がする、ということは言わなかった。
「「昔は夜が見方だったから」「それを思い出してしまうのが恐いんだと思う。簡単に思い出せることがわかってるから」
私は政ちゃんしょうちゃん以外の人たちを、全部恐いのかもしれない。その考えは日和子を心底驚愕させた。
驚愕させたが、事実だと思えた。一体いつからそんなことになったのだろう。みんな、私の人生を構成する、大切な人々だったはずなのに。
なるほどなあ〜〜と思う作中の文章であります。
個人的な感想ですが……。
当たり前のことが当たり前であることの不自然さ。時に「自分は本当に自分なのか?」という錯覚。「何で自分はここにいるんだろう?」、「自分がいる世界はこうだけれども、もし自分がいなかったらとしても、世界はどう変わっているのか?」なんだかそんな怖れを自分は子供の頃に体験したことがあります。
私の世代は、ノストラダムスの大予言に怯えた世代であり、人類が滅亡したら、いったいどうなるのか、私は考えただけで恐ろしくなりました。それと同時に、ものすごく空虚な気持ちになりました。「だからって、自分はどうなるんだ? いてもいなくてもそう変わりはないじゃないか」。
深遠さは、どこかドストエフスキーの『地下室』やサルトルの『嘔吐』や太宰『人間失格』のような、どこか退廃的で、人間の存在の理不尽さを感じました。
私はあまりHappyなものが好きではないので、チェーホフの『桜の園』を悲劇としてしか受け入れられず、この本も、あえてブルーになるために読みそうですが、明るいものを求めている方にはちょっと……という感じです。でも、どこか↑に書いたような空虚さを誰しも一度は体験していると思うので、読んで損はないと思います。
当たり前のことが当たり前であることの不自然さ。時に「自分は本当に自分なのか?」という錯覚。「何で自分はここにいるんだろう?」、「自分がいる世界はこうだけれども、もし自分がいなかったらとしても、世界はどう変わっているのか?」なんだかそんな怖れを自分は子供の頃に体験したことがあります。
私の世代は、ノストラダムスの大予言に怯えた世代であり、人類が滅亡したら、いったいどうなるのか、私は考えただけで恐ろしくなりました。それと同時に、ものすごく空虚な気持ちになりました。「だからって、自分はどうなるんだ? いてもいなくてもそう変わりはないじゃないか」。
深遠さは、どこかドストエフスキーの『地下室』やサルトルの『嘔吐』や太宰『人間失格』のような、どこか退廃的で、人間の存在の理不尽さを感じました。
私はあまりHappyなものが好きではないので、チェーホフの『桜の園』を悲劇としてしか受け入れられず、この本も、あえてブルーになるために読みそうですが、明るいものを求めている方にはちょっと……という感じです。でも、どこか↑に書いたような空虚さを誰しも一度は体験していると思うので、読んで損はないと思います。
以前はどうしてこの著者に人気あるのかわからなかったのだけど、この本を読んでこの人天才じゃないかと思いました。
どんなに愛し合っているカップルであっても、心の底を理解することはありえない。その寂しい事実を淡々と、それでも夫婦って一緒にいるだけで十分価値があるんだよ、優しく伝えてくれています。
パートナーとの価値観の相違などでイライラしている方は、読めば「なーーんだ。まあこんなもんか。」って慰められるでしょう。逆にパートナーとは理解し合えていると思っている方はブルーに感じてしまうのでは。。。
心から理解しあえない人間の悲しさを、暗く、ではなく、ホノボノと描いた秀作です。
カップルって一緒の時間を共有できるだけで幸せなんですよ。それを思い出させてくれます。
どんなに愛し合っているカップルであっても、心の底を理解することはありえない。その寂しい事実を淡々と、それでも夫婦って一緒にいるだけで十分価値があるんだよ、優しく伝えてくれています。
パートナーとの価値観の相違などでイライラしている方は、読めば「なーーんだ。まあこんなもんか。」って慰められるでしょう。逆にパートナーとは理解し合えていると思っている方はブルーに感じてしまうのでは。。。
心から理解しあえない人間の悲しさを、暗く、ではなく、ホノボノと描いた秀作です。
カップルって一緒の時間を共有できるだけで幸せなんですよ。それを思い出させてくれます。



