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アキハバラ@DEEP
石田 衣良
価格: ¥1,700 (税込)

単行本
出版社: 文藝春秋
発売日: 2004/11/25
ISBN: 4163235302
おすすめ度:4.0
Amazon ランキング: 192271位
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うん、マンガですね。
生きることは徒労の情熱だ。
なるほどなあ〜と思った作中の一文です。
アキハバラを舞台にRPG
読み始めは、秋葉原を舞台に最新オタク風俗を描いた小説かと思った。最近の若者文化には全くついていけてないオジサンのための入門講座には悪くないかもしれない、などと。
悪者が出てきたあたりから現実世界を超越しはじめた。これはSF(サイエンスファンタジー)なのだろうかなどと思っていたら、はあれよあれよとRPG化。と、言ってもRPGなんて一度もやったことがないのだが、きっとこんな感じなのだろう。奪われた財宝を奪還するため、仲間やアイテムを増やしながらパワーをつけ、最後は敵のアジトへ突入。途中に戦闘を交えながら、救出に成功....その間に友情の深まりとか人間の成長ストーリーなども折り込むと。RPGの定石パターンってきっとこんなものでしょう。一気に読めるが、最後に彼らを救う人物の設定はややいただけませんでした。
期待が大きかったので
最初の5−6ページで挫折する人がいるかもしれません。正直、石田作品特有の導入部の
謎かけが長過ぎる事と、それに続くイベントを詰め込み過ぎた人物紹介部はいただけません。
このせいで、最初に出てきた3人の登場人物の区別がつき辛かったです。後から出てきた
3人は名前と人物像がすぐに一致したのですが。

その後、主人公達が夢に向かって走り出し、敵に叩かれ、もう一度立ち上がる。このあたりは
一気に読ませ流石と思います。

しかしカタルシスを得る為の最後の部分が・・・。誘拐、暴行と刑事事件を発生させたり
(これは、警察も動かざるを得ないでしょう?)素人のお遊び&付け焼刃の能力で
(いかに道具を使ったといっても)本職を負かしたり、最後は権力者を持ち出す。
何だかなぁ?という感じでした。

オタクが一般人を超える能力を使って、自分達の力で敵を叩いて欲しかったのですが。
IWGPの初期作品がそうであったように。
面白かったです(●'∀`)
三人寄れば文殊の知恵、六人寄ればサーチエンジンの開発!
社会的に虐げられている若者達の才能が開花する、無いものを補いあい、欠点は利用する、理想的な関係の仲間がおりなす、へっぽこサクセスストーリーv

先にTVドラマを見たのですが、かなり内容が変わってますね…。
キャラの性別までもが変えてあります。
が、映像の上では、イズムが女の子で良かったと思いますv
ただ、池袋ウエストゲートパークもそうですが、なんでTVドラマになると幼稚になるんだろうか…
原作の怜悧さがさっくり削られてます。
主人公の精神年齢が下がるのはやるせないです…

アキハバラ@DEEPは、苦心して作りあげたサーチエンジンを盗まれ、取り返す話なんですが、ドラマでは秋葉原のトラブルシューター、秋葉原版池袋ウエストゲートパークみたいになってました。
まぁ、延々みんなでプログラミングしてる様子を見せ続けるわけにはいかないですからしょうがないんですがw
映画版をまだ見ていないので、そちらも楽しみですv

読み終わって、爽やかな気分になれる本です。
おすすめv
良質な青春ファンタジー
面白くスラスラ読めてしまいましたが、読みながら、この小説をどう捉えていいのか、がつかみずい点がありました。それは、この小説が、社会派なのか、ファンタジーなのか、青春モノなのか、ということです。冒頭部分が神話的・寓話的であるため、「アキバを舞台とした神話なのかな」と読み始めましたが、YUIさん・アキバ・オタクの描写のあたりで、社会派なのかな、と一瞬思い、人物の掘り下げや、人間関係の複雑さに発展することなく、わかり易いキャラ達が、味方同士の諍いもなく、敵味方に整然と分かれ、粛々と役割をこなして行く時点で、ゲーム的に思えました。しかし、仲間で作り上げたかけがえの無いものを汚い大人たちにを犯されたことに、報復に燃えるアキラに代表される、「ひたむきさ」「純粋さ」には、思わずホロリとしてしまい、青春モノに通ずる感動がありました。

 本書で描かれている「アキバ系」は、他の人の指摘と同様、やはり「よく取材はしているが、表面的」という感じです。普段アキバやオタクに縁の無い方が、少しアキバを知る糸口にはなりますが、日曜日にアキバを散歩すればわかるようなことが殆どなので、その意味で、本書に登場するアキバは、あくまで「舞台」に過ぎません。本書は、AI誕生を描いた「美しいキリスト教伝説」のようなものであるといえるでしょう。そこで、馳星周が描く歌舞伎町のように、その後の後日但という形で、よりどろどろした人間関係や、リアルなアキバ系の生態を描く続編のようなものがあると、面白いかな、と思いました。

 IT業界に関しても、作者はよく勉強していると思いましたが、あまりに短期間で簡単に成功しすぎる点や、問題のAIについて、イズム以外のメンバーが貢献できることって何があるのだろう?とか。本質ではないにしても、技術的な間違いが散見される点になどに違和感がありました。とはいえ、本書でのITもまた、「舞台」に過ぎません。本書は良質な青春ファンタジーといえるでしょう。ついでに、読みながら、服部真澄「龍の契り」を思い出しました。



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